神戸ポートアイランドの全天候対応施設「神戸どうぶつ王国」(神戸市中央区港島南町7、TEL 078-302-8899)が10月12日、「花と動物と人との懸け橋プロジェクト」を立ち上げた。現在、クラウドファンディングを活用し、保全活動継続などの支援を募っている。
2014(平成26)年7月19日にオープンし、今年で6周年を迎えた同施設。以来、「熱帯の森」「アフリカの湿地」「アジアの森」「ロッキーバレー」「アクアバレー」 など毎年新たなエリアを新設してきた。関西初登場となった同施設の代表種であるハシビロコウ、スナネコ、スマトラトラに、コビトカバ、マヌルネコなどの珍しい動物も加わり、常に進化し続けている。
園内では動物を身近に感じられる触れ合いや給餌体験、「バードパフォーマンスショー」「ドッグパフォーマンスショー」など動物本来の行動を見ることができるイベントを開催。野生動物を飼育する施設として、動物の福祉向上や、希少種の保全、環境保全・環境教育なども積極的に推進している。
新型コロナウイルスによる国内感染拡大防止のため、臨時休館を余儀なくされた。5月29日から営業を再開したが、昨年比マイナス60%にも及ぶ集客減・収入減の苦境に立たされ、これまで取り組んできた保全活動の継続が困難になっているという。年間約3億5,770万円(人件費1億8,000万円、飼料費2,700万円、動物医療費500万円、植物管理費1,200万円など)に上る動植物管理経費の調達にも影響を及ぼしている。
プロジェクトの実現に向けて12月11日23時までクラウドファンディングサイト「READYFOR」で支援を募っており、目標金額3,000万円を目指している。支援コースは5,000円からで、リターンとして、招待券、年間パスポート、グッズなどを用意。インターネットでの支援が難しい人は、施設に直接支援金を振り込む代理支援もできる。
集まった支援金は、国内希少動物の域外保全事業をはじめ、コビトカバの新展示場、ハシビロコウ繁殖展示施設の設置に活用。目標金額を超える支援が集まった場合は、独自のSDGs(持続可能な開発目標)活動、飼育動物の福祉のための環境改善や動物医療施設の充実などを実現するという。
佐藤哲也園長は「私自身、動物園に40年関わってきた動物園人。いつも心の中には動物園魂を持っているのでこのような状況を看過することはできず、動物たちの幸福を懸命に守ろうと奮闘している。今回、クラウドファンディングによる皆さまのご支援により、私たちの使命を継続、推進するほか、皆さまに驚きと感動、笑顔をお届けする王国運営を実践する所存。ご協力をお願いできれば」と呼び掛ける。