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神戸の震災伝承施設×防災音楽ユニットが配信イベント 東日本大震災10年で

配信イベント出演者。左から、神戸経済新聞編集長のウエツキチエコさん、企画ディレクターの平林英二さん、「Bloom Works」のKAZZさん・石田裕之さん、防災番組DJの近藤栄さん

配信イベント出演者。左から、神戸経済新聞編集長のウエツキチエコさん、企画ディレクターの平林英二さん、「Bloom Works」のKAZZさん・石田裕之さん、防災番組DJの近藤栄さん

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 「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター(通称=ひとぼう)」(神戸市中央区脇浜海岸通1)で3月7日、配信イベント「~東日本大震災から10年~『私たちのSMONG(スモン)』みんなで歌づくりワークショップ Vol.2」が開催された。

「ひとぼう」企画ディレクターの平林英二さん

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 現在、同施設西館1階ロビー(無料ゾーン)で企画展「東日本大震災10年 伝承ロード ミュージアムポスター展」を開催している。東日本大震災の被災地には、同施設と同じく震災の経験や教訓を後世に伝えるための施設が、今多く開設される状況を迎えており、互いに連携を深めるとともに多くの人たちに知ってもらいたいと同展を企画。会場では、震災遺構や展示施設・ミュージアムなど28団体が提供したポスター、最新の企画展やイベントのチラシ、施設の位置を示した地図などを展示している。

 同イベントは、同展の関連企画としてユーチューブライブで開催。2月19日にワーナーミュージック・ジャパンからメジャーデビューを果たした日本のボイスパーカッション第一人者で防災大学院卒のKAZZさんとアコースティックシンガー・ソングライターで防災士の石田裕之さんによる神戸発・防災音楽ユニット「Bloom Works(ブルームワークス)」をメインホストに迎え、同施設企画ディレクターの平林英二さん、「さくらFM」防災番組DJで防災士の近藤栄さん、神戸経済新聞編集長で防災カジュアルパーティーMCのウエツキチエコさんが進行アシスタントを行った。

 「Bloom Works」が同施設と共同で「音楽による減災啓発は可能か」を考える一般参加型イベントとして、昨年8月2日に初開催。今月11日で東日本大震災から10年を迎えるに当たって「あの記憶と教訓を100年先へ伝承するため、みんなの言葉を歌にする」オンライン音楽創作ワークショップの2回目を企画した。

 手本にするのは、スマトラ沖地震で奇跡的にほとんどの住民が助かった被災地・インドネシアのアチェ州シムル島の津波伝承歌。「ナンドン・スモン(SMONG=シムル語で津波を意味する)」として歌い継がれ、避難行動の成功に大きく寄与したといわれている。

 イベントでは同展で紹介している3施設とオンラインでつなぎ、「東日本大震災津波伝承館 いわてTSUNAMIメモリアル」(岩手県陸前高田市)の解説員・金野聡子さん、「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」(宮城県気仙沼市)の館長・佐藤克美さん、8日にオープンした「震災伝承交流施設 MEET門脇」(宮城県石巻市)の開設・運営に携わる「公益社団法人3.11みらいサポート」の中川政治さんが現状をリポート。3施設からのメッセージとオンラインで寄せられた視聴者の思いやメッセージを歌詞としてつなぎ、石田さんが配信中に曲作りを行い新曲「90年後のユートピア」が誕生した。

 石田さんは「今回は3施設の方から東北の今をお伝えいただき、そのメッセージを土台に皆で歌を作ることができた。事前にKAZZさんから前向きな曲にしようと提案があり、アップビートな曲に仕上がった。当日の様子は後日ユーチューブに公開されるのでご覧いただければ」と話す。

 開館時間は9時30分~17時30分。月曜休館(祝日の場合は翌日)。有料ゾーンの見学には入館料が必要。企画展は無料、4月下旬まで(予定)。

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