企画展「横尾忠則の恐怖の館」が現在、横尾忠則現代美術館(神戸市灘区原田通3、TEL 078-855-5607)で行われている。
兵庫県西脇市出身の美術家・横尾忠則さんからの寄贈・寄託作品を保管する同館。横尾さんの作品を多くの人に鑑賞してもらいたいと兵庫県立美術館王子分館(旧兵庫県立近代美術館)西館をリニューアルし、2012(平成24)年11月に開館した。所蔵するコレクションを軸に横尾作品の魅力を国内外にアピールするとともに、横尾さんと関わりのあるさまざまな分野のアーティスト、横尾作品に関連するテーマ展などを開催している。
同展は、イラストレーションや絵画など横尾さんの多彩な作品を通して「芸術」と「恐怖」の関係性について考察。まるでお化け屋敷のような演出の館内に84点を展示し、1968(昭和43)年に横尾さんが挿絵を担当した講談社版「江戸川乱歩全集」を紹介する「乱歩迷宮」、ポートレート作品が並ぶ「葬列」のほか、「あの世とこの世」「闇について」をテーマにした作品などを紹介する。
同展担当学芸員の山本淳夫さんは「未知のものに対して抱く恐怖は好奇心と表裏一体で『怖いけど見たい』というアンビバレントな(=相反する感情が同時に存在する)感情を誘発する。横尾忠則さんは見えるものや科学で説明できる領域外のものに一貫して関心を寄せていた」と話す。
今月16日、11月20日、12月18日、来年1月15日には、館内のオープンスタジオで山本さんが同展の見どころを解説する「キュレーターズ・トーク」を行う。開催時間は各日14時~14時45分。参加無料。定員30人(先着順)。
今年3月、4階に新設した横尾忠則コレクションギャラリーでは、同展に関連する資料を展示する「YOKOO TADANORI COLLECTION GALLERY 2021(後期)」を同時開催している。
山本さんは「『恐怖の館』展は、ハロウィーンの仮装でセルフィーを撮るのに最高のシチュエーション。他のお客さまと作品の安全に配慮いただいたうえで、お楽しみいただければ」と話す。
恐怖の館の開催時間は10時~18時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。観覧料は、一般=700円、大学生=550円、70歳以上=350円、高校生以下無料。事前予約者の入館を優先。来年2月27日まで。