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神戸どうぶつ王国が絶滅危惧種ミヤコカナヘビ飼育開始 生息域外保全活動に参画

国内希少野生動植物種に指定されているミヤコカナヘビ

国内希少野生動植物種に指定されているミヤコカナヘビ

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 神戸ポートアイランドの全天候対応施設「神戸どうぶつ王国」(神戸市中央区港島南町7、TEL 078-302-8899)が1月5日、国内希少野生動植物種に指定されているミヤコカナヘビの飼育を始めた。

ミヤコカナヘビの飼育を担当する神戸どうぶつ王国の馬場瑞季さん

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 同施設によると、鮮やかな緑色で全長約30センチのミヤコカナヘビは、沖縄県宮古諸島のみに生息する日本固有種で、現在琉球列島に生息するアオカナヘビ、サキシマカナヘビ、ミヤコカナヘビのうち、DNAレベルの調査でミヤコカナヘビだけが中国や台湾に生息する違う祖先から進化した種ということが判明し、1996(平成8)年に新種とされた。

 「宮古諸島の生物相だけでなく、諸島の成り立ちそのものを知ることにもつながる貴重な動物」(同施設)というが、近年、生息環境の開発やイタチ、インドクジャクなどの外来生物による食圧などの理由で大きく数を減らし、環境省レッドリストの絶滅危惧種にも指定されている。

 同施設では現在、公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)が環境省と締結した「生物多様性保全の推進に関する基本協定書」に基づき、ミヤコカナヘビの種の保存を目的とした生息域外保全活動に参画している。

 同施設によると、国内でミヤコカナヘビの生息域外保全に取り組んでいるのは6園館。同施設では雄16頭、雌14頭を飼育している。

 ミヤコカナヘビの飼育を担当する馬場瑞季さんは「レジャー施設として認識されている動物園・水族館だが、その裏側では絶滅の危機にひんしている生きものを救うために調査研究が進められ、種の保存の役割を担っている。飼育管理することで蓄積される知識や情報を生息地の方々と共有することで、生息域内保全にもなる。今後は種の普及啓発を目的とした展示も考えている。『私たちに何ができるか』を考えるきっかけになれば」と話す。

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