「神戸北野ホテル」（神戸市中央区山本通3）が10月31日、新たなオーナーの下で再スタートした。新たなオーナーは「エイチ・ワイ・ホスピタリティ・エンタープライズ」。

「エイチ・ワイ・ホスピタリティ・エンタープライズ」の山口浩社長（写真提供＝エイチ・ワイ・ホスピタリティ・エンタープライズ）

　1992（平成4）年に開業後、1995（平成7）年の阪神・淡路大震災で一時休館を余儀なくされたが、2000（平成12）年に山口浩さんが社長を務める同社が運営を引き継いだ同ホテル。以降、リーマンショックやコロナ禍などの困難を乗り越えながら、「滞在できるレストラン」である都市型オーベルジュとして経営してきた。

　2021年には、コロナ禍による影響で、同ホテルの不動産を以前の所有者から投資ファンドに売却。その後、同ファンドがアフターコロナによる旅行市場の回復などを踏まえ売却先を検討するなか、SDGsやESG経営に対する山口さんの長年の取り組みを事業投資の視点で評価。併せて、山口さんの「神戸北野ホテル」のアイコンとしての重要性も踏まえ、同社が売却先に選ばれたという。

　次世代が新たな挑戦を行う場としての活用も想定している山口さんは「来年に阪神・淡路大震災から30年を迎えるなかで、地元のホテルというだけでなく『復興のシンボル』と思っていただけるよう、これからも新しい取り組みを行っていきたい」と意欲を見せる。