神戸で丹波焼の陶芸作品展-花入れやランプなど90点展示

会場には丹波焼作品90点以上を展示する

会場には丹波焼作品90点以上を展示する

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 神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で11月2日、企画展「陶勝会作品展」が始まった。

「ご自由にお座りください」と書かれたいす

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 丹波焼は瀬戸、常滑、信楽、備前、越前とともに日本の六古窯(ろっこよう)の一つに数えられ、陶土は鉄分を多く含む山の土を中心に使う。丹波焼の歴史は古く、その発祥は平安時代末期から鎌倉時代の初めといわれ約800年の歴史を持つ。出展は丹波・立杭に窯を持つ「陶勝窯(とうかつがま)」の市野勝磯さんと、そこで学ぶ生徒約50人。花入れやつぼ、同館とコラボレーションしたランプなど90点以上を展示する。

 土を採取することから始まる作業は「土もみ」「成形」「素焼き」「本焼き」などさまざまな工程を経て仕上げられる。同会の陶芸教室は月1~2回開くため、仕上がるまでに半年をかけた作品も。生徒自身が釉薬(ゆうやく)をかけたり、焼き工程で作品の横に炭を置き炭化焼成させた作品も含まれる。展示スペースには珍しい丹波焼のいすも展示、「ご自由にお座りください」と注意書きを添える。実際に座った来場客は「恐る恐る座ったが、予想以上の安定感に驚いた」と笑顔で話していた。

 窯元に生まれ、小さいころから丹波焼は身近なものだったと話す市野さん。「丹波の自然の中で日々作陶に励んでいる。偶然が作り出す要素も面白く、それぞれが世界に一つしかない作品ばかり。土の面白さを世の中にもっと伝えていきたい」と話す。生徒の作品については、「自由に楽しんで作っているのが伝わる作品ばかり。土が生きていないと焼き物はよくない。皆さんの作品は作品自体がいきいきしているように見える」とも。

 ガス窯で焼いた作品が大半を占めた同展。市野さんは「焼き物は『焼き』という工程があって初めて完成するもの。まきの窯に生徒の作品を中心に詰めて、実際に火を体験してもらいたい。それを作品展で並べてみたい」と意欲をみせる。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。今月14日まで。

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