ICT(Information and Communication Technology)技術者の育成を目指すIT専門職大学院「神戸情報大学院大学」(神戸市中央区加納町2)で2月5日、アフリカ8カ国の政府高官らを受け入れた研修「ICT活用による開発課題解決」が始まった。
研修に参加するのは、ボツワナ、エチオピア、ガーナ、マラウイ、ナイジェリア、ルワンダ、タンザニア、ウガンダ各国2~6人で、主にITを活用し業務を行う行政官、政策担当者など29人。「医療、農業、産業振興、行政サービスの効率化、教育」など自国の課題を持ち寄り、解決法を導くことを目的とする。
主体的に学ぶ「探究型学習」の普及を目指している同大学院の炭谷俊樹学長。「ゼロからはじめる社会起業」(JMMマネジメントセンター)の著者でもある炭谷学長は、経験や技術を生かし社会に貢献し価値を生み出す「探究」の考え方で、社会に価値提案するための仮説の作成と検証を実践する「探究実践演習」を開講している。
今回は、JICA(独立行政法人国際協力機構)兵庫国際センターが同講座を評価し同大学院に委託。3月17日までの42日間、研修を行う。
カリキュラムはグループワーク「探究実践演習」のほか、企業見学、企業・大学から講師を招いた国内の実例講義など。期間中、東日本大震災の被災地も訪問する。
炭谷学長は「電気通信設備がない地域でも携帯電話は普及しており、IT農業に活用したいという意見があった。そのような課題の解決法を具体的に導き出し、実務につながる授業になれば」と話す。