東日本大震災の被災者にエールを送る歌声メッセージ「えっさほいさっさ」のDVDが完成し、4月21日に販売が始まった。
発案したのは、神戸を拠点に活動するソプラノ歌手・深川和美さん。深川さんは、阪神・淡路大震災で神戸市長田区のマンションで被災。当時「これまで好きだったフランス歌曲への関心を失い、その時に口から出てきたのが幼いころに歌っていた童謡や童歌だった。商店街などで童謡を歌い始めると皆が足を止め座り込み大合唱になった。童謡が必要なのは私だけじゃない」と確信したという。以来、日本文化を見つめ直し、2004年より観客参加型コンサート「深川和美の童謡サロン」を主宰し全国各地で公演している。
東日本大震災の直後から「くちびるにうたを」と題した支援活動を開始した深川さん。その中で、東日本大震災の被災者にエールを送る歌声メッセージとして、童謡「お猿のかごや」の掛け声「えっさえっさえっさほいさっさ!」を4回繰り返した動画を募集した。
今年2月末までには、国内だけでなく、独、仏、伊、イギリス、シンガポールなど海外からも寄せられ、約200ファイル延べ1000人が参加した動画が集まった。その後、投稿された動画を編集し「お猿のかごや」新バージョンとして完成。1月17日には「お猿のかごや」「故郷」「故郷(カラオケ)」を収録したCD(1,000円)を発売、約17カ国(アメリカ、イギリス、EU圏など)でiTunes配信(1曲150円)、ユーチューブでも動画配信を開始している。投稿された動画を閲覧できるiPhoneアプリの配信も予定。
津波で被害の大きかった沿岸部のハマナスの花が咲くことで復興の証しになればと、収益はハマナス再生支援に利用。「目に見える支援をすることで、末永く思いを持ち続けたい」と深川さん。「国内外から届いた歌声は幾重にも重なり、あたたかくて力強い世界の応援歌になった。東北の被災地の皆さんに、私たちからありったけの愛を…」とも。
CD+DVD2枚組の価格は1,200円。エンドロールには参加した団体・個人名が表示される。注文はメール・電話で受け付ける。問い合わせはジャズハウス「木馬」(神戸市中央区北長狭通3)内のNPO法人「童謡サロン」(TEL 078-391-2505、Eメール info@essa-hoi.net)まで。