「海外移住と文化の交流センター」(神戸市中央区山本通3)内で活動するアートプロジェクト「KOBE STUDIO Y3」(TEL 078-222-1003)が4月1日、発足した。運営は「C.A.P.(芸術と計画会議)」。
「C.A.P.」は「The Conference on Art and Art Projects」の略で文化活動を推進する非営利団体。「現代社会に活(い)きる芸術の研究」「芸術を社会に浸透させる新たな仕組み作り」「芸術を通した社会教育の推進」「芸術を軸とした国際交流活動」を目的に「定期的な研究会の開催」「新しいかたちでの展覧会の企画・開催」「シンポジウム、レクチャー、ワークショップの開催」「芸術に関する情報の交換および提供」「親睦と交流を目的としたイベントの開催」「メディアの発行(研究会報誌、その他)」などの活動を行っている。
同プロジェクトの前身は「CAP STUDIO Y3」。旧神戸移住センターでの活動は1999年からで、途中建物の全面改修で1年のブランクを挟み2009年からは市の条例施設「海外移住と文化の交流センター」となっている。
同センターの指定管理者の一員となり活動してきた「C.A.P.」では、「場」を中心に据えた活動を続け、2008年に新港第4突堤Q2上屋内で始まった海の上のプロジェクト「CAP CLUB Q2」での活動も7年がたった。
「場」があることで「C.A.P.」の活動も大きく広がったが、近年は逆に「場」ありきの発想に縛られていると感じるようになり、「発想をもっと自由にしてみよう」と決断。指定管理者として受けている仕事とは別に、同センター外の「場」である「CAP CLUB Q2」と同館内「CAFE&SHOP y3」をいったん終了した。
「2年前から始めた『神戸文化祭』もそうした気持ちからの企画だが、本年度からは一層自由に、よりプレーンな状態からいろいろな概念を越境して新しいことにチャレンジしていきたい」と担当者の下田展久さん。
今後は、3階の空間を「人が出会う場所」とし、3階奥の大きな部屋を「STUDIO 306」と名付けて、「大人美術部」「Kids' room」「サテライトオフィス」などを展開。いろいろな人にいろいろな形でアートを楽しんでもらう機会を増やす予定で、別館工作棟でも「講座」「公開制作」「陶芸教室」などの活動を広げていくという。
下田さんは「これまでの活動の趣旨はそのままに、プログラムやアトリエアーティストは刷新してのスタート。以前に増してドアを開き、皆さまに楽しんでもらえるようなことを増やしていくので、アーティストに会いにいらしていただければ」と話す。
同センターでは現在、4月29日まで「越中正人展『algorithm』」を開催している。同29日(18時~19時)は、「阪神・淡路大震災20年・語り継ぐこと/リレートーク vol.7『20代、30代が受け止める震災』」(話者=越中正人さん、田中梨枝子さん、高橋怜子さん)を予定する。
開催時間は10時~19時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。印刷物での案内は「マンスリーパック」を発行する。