神戸で障害者アート作品の公募展-最優秀賞はガラスアート

最優秀賞を獲得した中井芳夫さんの作品「ガラスアート芽生え」

最優秀賞を獲得した中井芳夫さんの作品「ガラスアート芽生え」

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 関西電力が主催する公募展「かんでんコラボ・アート21」が12月15日、神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で始まった。

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 同展は関西地区在住の障害者から今年6月~9月にかけて公募したアート作品の中から入選作品を選び、その中から最優秀賞など受賞作品6点を含む17点を展示するもの。30点の入選作品は、ほかにも同社京都支店など関西の8カ所で巡回展示する。9年目の開催となった今回は967点の応募作品の中から30点が入選した。

 「好きなものを自由に作っていただきたい」(同社地域共生グループの江口麻衣さん)と、テーマは自由。会場には、皿の上に紙粘土やダンボールなどで作ったドーナッツやアイスクリーム、チョコレートなどを飾った作品「激甘カレー」や、靴をキャンバスに絵の具や安全ピン、クリップなどで装飾した「デフォレマシオン」など個性的な作品が並ぶ。

 最優秀賞は、大阪府箕面市在住の中井芳夫さんの作品「ガラスアート芽生え」が受賞した。ガラスアートとは中井さん自らが考案した手法で、ガラスの下に下絵を置き、友禅の技法を取り入れてガラスの上に線で縁取りをし、枠の中に竹ぐしを使って色を塗るもの。作品は透明ガラス、アクリル系絵の具、金網、紙を使用して製作した。

 リウマチの悪化で寝たきり・車いすでの生活を経験した中井さんは「現在は自力歩行ができるまで回復した。その喜びを表したのがこの作品。2つの新芽は自分と妻の2人で協力して『金網=バリア』を乗り越えたことを表現している。障害者になったからこそ、この絵を描くことができた」と作品の経緯を語る。

 江口さんは「出品者自身が作りたいものがダイレクトに伝わってくる作品が多く、それぞれが際立っているので審査が難航した。出品者の気持ちやがんばりがどんどん高みにいって、びっくりするようなパワーを持つ作品ばかり」と同展の魅力を語る。「会場のアンケートには制作者からの『こんな立派な展示をしてもらってうれしい』という声も多く寄せられる。ライトの当て方一つで展示は変わるので、これからも出品者に喜んでいただけるような展示をしていきたい」とも。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。今月20日まで。

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