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「神戸洋服」、黄綬褒章受賞の仕立職人が紳士服仕立て塾開講

黄綬褒章受賞の仕立職人・佐伯博史さん(撮影=園田海斗さん)

黄綬褒章受賞の仕立職人・佐伯博史さん(撮影=園田海斗さん)

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 新神戸オリエンタルアヴェニュー(神戸市中央区北野町)1階「神戸洋服」(TEL 078-271-2173)工房で3月5日、黄綬褒章受賞の仕立職人・佐伯博史さんによる紳士服仕立て塾「佐伯塾」が開講した。

映画「繕い裁つ人」で神戸市長を表敬訪問する佐伯さん(上段中央)

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 1941年1月生まれの佐伯さんは74歳の現役仕立職人。19歳の時に広島で仕立職人となり、1987年に近代洋装発祥の地である神戸に「テーラー佐伯」を開業した。その後、現役職人として第一線で活躍。その経験から、2015年1月公開のの職人の生きざまを描いた2015年1月公開の映画「繕い裁つ人」で演技指導を務めた。

 「神戸洋服」が主宰する同講座は、「洋裁学校や洋裁教室は数多く存在し、ある程度の技術を習得することは可能だが、それ以上の指導が受けられる機関はこれまでなかった。技術を習得しても、就職難や経営難など、厳しい現実を突きつけられてきた職人たちをなんとか救いたい」という佐伯さんの思いから開講。少人数制で細かいコース設定があるため、必要な技術だけに絞り込み、短期間・低コストで高いレベルの技術を習得することができる。工房、店舗、養成が一体となった機関であるため、技術面だけでなく、営業や販売などの必要な知識まで指導する。若手の雇用も積極的に行っており、希望があれば神戸洋服への就職もできるという。

 コースは、基本の針使いコース、フィッターコース、カッターコース、マイスターコース、技能試験検定コースなど。対象は、テーラーやオーダーアトリエの職人でスキルを高めたい人、テーラーを目指す人、紳士服メーカー勤務や趣味で本格的な紳士服を学びたい人。基本的に中級、上級者向けだが、初心者で意欲のある人であれば受講ができる。

 佐伯さんは「仕立職人に注目が集まる一方で、ファストファッションの流行やテーラーの減少、後継者不足によりオーダースーツ業界は衰退。緻密に計算された縫製により、『着るほどになじみ、流行にとらわれない神戸洋服』の本当の良さを、日本だけにとどまらず世界の人たちに伝えたい。先輩から教わった時と同じように、その技術を若手に伝え、彼らの手により各国のファッションの『いいとこどり』をした新しい神戸洋服ブランドを創造してほしい」と話す。

 開講時間は、水曜~土曜の11時~13時、14時~16時の2部制。授業料は1コマ受講8,000円(コース単位での受講でセット料金別途あり)。入会金不要 。定員は各コース最大15人。

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