神戸に「海外移住と文化の交流センター」-移住の歴史を伝える

式典では開館を記念してテープカットを行った

式典では開館を記念してテープカットを行った

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 神戸市が保存、再整備に取り組んできた「海外移住と文化の交流センター」(神戸市中央区山本通3、TEL 078-272-2362)が6月3日、リニューアルオープンした。

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 同センターは、ブラジルなどへ移住する人たちが乗船前に過ごす施設として1928(昭和3)年国立移民収容所として建設されたもので、第二次世界大戦中は短期高等海員養成所などとしても使用された。1971(昭和46)年に神戸市が買い取り、改修工事を経て同日オープンした。

 建物は地上5階建ての本館と地上1階建ての別館に分かれ、延べ床面積は4,052.97平方メートル。1~2階を「希望と未知への船出の広場(移住ミュージアム)」とし、移住の歴史を伝える資料を展示。その中には移住船となった笠戸丸の復元画や神戸の床面地図も。外観と船室を模した当時の居室の再現では、ベッドに布団や枕などを置いた。2~3階は「他文化との共生の広場(在住外国人支援)」、3~4階は「芸術を生かした創生の広場(国際芸術交流)」。

 同日行われた会館記念式典では矢田立郎神戸市長や井戸敏三兵庫県知事も参加し、テープカットを行った。矢田市長はあいさつで「日本でただ1つの施設、私達が『残していく』という強い気持ちを持って進めていきたい。今日でまた日本とブラジルの関係に新たな1ページが刻まれた」と語った。

 井戸知事は「博物館だけでは施設として不十分だと思った。現在日本にいる方との交流の場、日本語や母国語を学べる学習の場にしていきたい。この施設を神戸から全国へ、海外へ発信していければ」と話し、「海を越え 内外交流 相集い 歴史と文化 交流拠点」と祝いの歌を詠んだ。

 開館時間は9時~22時(「希望と未知への船出の広場」は10時~17時)。休館日は月曜日、年末年始。

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