JR新長田駅近くの「アスタくにづか1番館」にある「神戸映画資料館」(神戸市長田区腕塚町5)内ミニシアターで7月28日、短編映画「さんさん」完成披露試写会が行われた。
監督・脚本は、映像制作会社に勤務しながら自主制作活動を行っている神戸在住の女性監督・有安ありさん。プロデューサーは八十川勝さん。神戸出身の俳優・水野祐樹さんとシンガー・ソングライターのコノハコトノハさんがダブル主演する。昨年8月、神戸で活動する俳優も出演するなど全編神戸市内で撮影された。
自身も映画監督として活動する水野さんは「かれこれ7年くらい、ぶっ飛んだ奇抜な作品などを撮影する時もスタッフとして手伝ってくれている有安さん。今回主演・主題歌のオファーをいただいたときに恩返しがしたいと思った。演技では有安さんの世界観を壊さないように心掛けた」と話す。
当日は予約段階で満席となり、立ち見も出る盛況ぶりでにぎわいを見せた。有安監督は高校生のころから地元の手話サークルに所属。現在も手話講座に通いながら、ろう者と交流を深めており、手話映画ではないが「自身で作った映画には付けたかった」と日本語字幕も表示された。
上映後には有安監督をはじめ、出演者が登壇。手話付きの舞台あいさつが行われた。コノハさんが手掛けた同作の主題歌「万華鏡」は主演の水野さんとコノハさんがデュエットする映画バージョンで披露された。
水野さんは「舞台あいさつで緊張したことはないが、さすがに歌は緊張した」とほほ笑む。コノハさんは「ありさんの思いが詰まった素晴らしい作品。1年間の制作期間、本当に楽しかった」と話す。