神戸・みなと元町駅近くの自家焙煎(ばいせん)スペシャルティコーヒーショップ&ロースタリー「ROUND POINT CAFE(ラウンドポイントカフェ)」(神戸市中央区栄町通4、TEL 078-599-9474)が現在、コンゴ民主共和国産のコーヒー豆自社輸入に向けて準備している。
2014(平成26)年4月に同店を開業し、昨年9月に合同会社「ROUND POINT」を設立した社長の梅谷周平さんは、学生時代から「将来的にはアフリカへのソーシャルビジネスを取り組みたい」という思いがあり、継続的な商取引を行い主に発展途上国で生産されているコーヒー豆の生産地や生産者の現状を少しでも改善することで国際貢献になればと新事業を始めた。
梅谷さんが輸入対象国を決めるきっかけとなったのは、ルワンダやコンゴで活動する女性起業家のアンナ・キム(Inyoung Anna Kim)さんとの出会いから。アンナさんはルワンダでコーヒー生豆の輸出会社を立ち上げ、コンゴでの生産指導や組合組織の指導、現地コーヒーステーションの修繕など品質改善に取り組み、現在はブルンジ、エチオピアなどにも活動範囲を広げてアフリカのコーヒーを世界中に届けているという。
初めてコンゴのコーヒーを飲んだ梅谷さんは「まだあまりコーヒーの生産地として有名ではない国でこれほどおいしいコーヒーができるのだと驚き、コンゴのコーヒー豆に強く興味を持った」という。実際にコーヒー豆のサンプルを取り寄せたところ、とても品質がよく自社輸入に取り組みたいと考えるようになった。
梅谷さんは「コンゴは鉱物資源などが豊富な国であるにも関わらず、多くの社会的課題を抱えている。地理的に遠いということも一つの理由かもしれないが、国内ではあまり知られていないように思う。コーヒーを通じてコンゴに興味を持つ人が増え、コーヒーだけでなく、世界有数の熱帯雨林もあるコンゴの自然破壊や貧国などの社会問題に関心が集まるきっかけになれば」と話す。
4月末からのコンゴ産のスペシャルティコーヒー提供に向け、梅谷さんは今月22日、クラウドファンディングサイト「Readyfor」で「コンゴ産コーヒー自社輸入」プロジェクトを立ち上げた。コーヒー生豆の自社輸入支援者を3月6日まで募集している。
梅谷さんは今後、実際に産地へ出向き自らの目で現場の状況を確認し、生産者と信頼関係を構築し、ファイナンシャルサポートシステムの構築にもつなげたいという。「将来的にはコーヒー生産地の女性と子どもを対象に、教育へのアクセシビリティを高め、持続可能な発展に向けての教育プラットフォームも構築していきたい」とも。