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神戸の「ひとぼう」が配信イベント「私たちのスモン」 防災啓発につながる歌づくり

「Bloom Works」のKAZZさん、石田裕之さん(中央)、近藤栄さん(右)、ウエツキチエコさん(左)

「Bloom Works」のKAZZさん、石田裕之さん(中央)、近藤栄さん(右)、ウエツキチエコさん(左)

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 「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター(通称=ひとぼう)」(神戸市中央区脇浜海岸通1)が展開中の配信イベント「夏休み防災未来学校2020」の一環で8月2日、「『私たちのSMONG(スモン)』みんなで歌づくりワークショップ」が開催された。

室崎益輝さんによるゲストレクチャーの様子

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 2004年と2005年に発生し、22万人の犠牲者が出たスマトラ沖地震で、奇跡的にほとんどの住民が助かった被災地・インドネシアのアチェ州シムル島では、歌い継がれていた「ナンドン・スモン(SMONG=シムル語で津波を意味する)」という伝承歌が避難行動の成功に大きく寄与したといわれている。

 スマトラ島沖地震から15年、阪神・淡路大震災から25年を機に、防災大学院修士号取得者でボイスパーカッション担当のKAZZさんと、防災士でボーカル&ギター担当のシンガー・ソングライター石田裕之さんによる神戸発防災音楽ユニット「Bloom Works(ブルームワークス)」が同施設と共同で「音楽による減災啓発は可能か」を考える一般参加型イベント「私たちのSMONG~Bloom Works Workshop~」を企画。今年3月1日の開催は新型コロナウイルスの影響で中止(延期検討)となったが、今回、オンラインイベントでのリベンジ開催が実現した。

 日本で津波防災を文化として浸透させるために、音楽による寄与を模索してきた同ユニット。昨年11月、インドネシアの被災地を訪問取材し、日本ではこれまでなかなか聞くことができなかったスモンソングに触れ、伝承者と音楽セッションをするなど、貴重な経験をしたという。同イベントでは取材報告をはじめ、現地と中継を結んで新型コロナなどの現状も紹介された。

 当日のメインホストは「Bloom Works」、ゲストはアチェ津波などの現地調査も行っている兵庫県立大学減災復興政策研究科長の室崎益輝さん。「さくらFM」防災番組DJで防災士の近藤栄さん、神戸経済新聞編集長で防災カジュアルパーティーMCのウエツキチエコさんが進行アシスタントを行った。

 視聴者はチャットコメントでワークショップに参加。防災啓発につながる「歌い継がれるべき歌」の歌詞となるキーワードやさまざまな感想が寄せられ、盛り上がりを見せた。

 最後に視聴者からの「駆け上がろう大切な命のために」「お互いに声掛けて」「僕らの命は地球より重いんだ」「生きてさえいればまた笑顔に会える」などの言葉が選ばれ、それを基に石田さんとKAZZさんがギターとボイスパーカッションで即興演奏を披露した。

 石田さんは「良い曲ができてそれが防災啓発に役立てばそれが一番だが、成果だけでなく今回のようにみんなで防災について考え、一緒に歌を作るというプロセスを重視したい。日本ならではの文化として根付いていくまで作り続けていくこと。その初めの一歩になれば」と話す。

 当日ライブ配信された様子はユーチューブで見ることができる。

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