神戸で靴のデザインを手掛ける「DESIGN STUDIO CUBIC(デザインスタジオキュービック)」(神戸市中央区生田町1)が3月11日、コンパクト避難用防災シューズ「EVACUATION(エバキュエーション)」の商品化に向けてクラウドファンディングで支援者の募集を開始した。
災害時のコンパクト避難用防災シューズ「EVACUATION」
代表の黒田篤さんは、阪神・淡路大震災発生時に実家がある姫路で被災。当時は防災グッズが充実していなかったため、2004(平成16)年に神戸でデザイン事務所を立ち上げてから、災害時の避難に特化した靴ができないかと考えていたという。
これまでは大手メーカーや大手小売りからスニーカーのデザインを受注してきたが、新型コロナウイルスの影響で小売販売が減少。一方でネット通販が好調なことから、良い商品を開発すれば消費者に直接届けられるのではないかと考え、初の自社商品として機能的な防災シューズの開発に着手した。
危険物が散乱する災害地で、釘やガラス片を踏んでも貫通しない特殊繊維素材を採用。枕元にも置いておけるよう、コンパクトな収納にもこだわった。強靭(きょうじん)な素材を使うとそれだけ丈夫になるが、重すぎたり、硬かったり、折りたたみができないといった問題点もあり、履き心地と丈夫さ、価格のバランスに苦労したという。
商品名は英語で「避難」を意味し、逃げる人を守ることから「盾」のモチーフで「すぐそばであなたを守りたい」という思いを込めた。
サイズはS(22.0~23.5センチ)、M(24.0~25.5センチ)、L(26.0~27.0センチ)、LL(27.5~28.5センチ)の4種類で、男女兼用。販売価格は9,900円。
クラウドファンディングサイト「MAKUAKE」で支援者向けに先行予約販売を行う。数量限定で早割り、セット割りも用意。締め切りは4月29日。
黒田さんは「地震だけでなく、台風や集中豪雨など、日本中どこにいても自然災害が起こる可能性がある。避難するときに一番大切な足がけがすると避難が遅れてしまう。自分の身を守るために備えてもらいたい」と話す。