神戸・三宮センター街2丁目(神戸市中央区三宮町2)のストリートミュージアムで4月10日、第16回収蔵作品が公開された。
阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた三宮の復興をアートの力で支え、恩返しようとアートストリート構想を推進している三宮センター街。2丁目では道幅8.5メートルの通りを生かして、2006(平成18)年3月より毎年アート作品を1点ずつ地面に収蔵している。
昨年4月のコロナ禍に収蔵された作品は、富山県高岡市の金属作家・畠山耕治さんの制作した銅剣「聖なるもの」で、16作品目となる今回は三重県伊賀市の陶芸家・谷本景さんが銅鐸(どうたく)のイメージで制作した作品「古代から 2020」。同作品には、将来も起こりうる大自然災害、今回のようなウイルスによる病変をはらってほしいという祈りも込めた。
谷本さんは「私の生まれた伊賀は古代から大陸文化財が多く出土する。それらを見ていると古代の人の声が聴こえてくる。その声を次の世代に送るメッセージを形にしたのが、この『古代から 2020』である」(原文ママ)とコメントを寄せた。
谷本さんを招き初日に行われた式典には、久元喜造神戸市長、三宮センター街2丁目商店街振興組合の久利計一理事長などが出席し、新しく仲間入りした作品の除幕式も行われた。
神戸市立博物館に所蔵する古代の人々が祈りをささげたといわれる国宝「桜ヶ丘銅鐸」に通じる作品でもあり、「おしゃれでハイカラなだけではない、歴史ある神戸のイメージの神戸を来街されたお客さまに伝えることができれば」と式典で司会を務めた三宮センター街2丁目商店街振興組合・企画担当理事の藤井淳史さん(「毛利マーク」社長)は話す。