神戸市で10月1日、詰め替えパックの「水平リサイクル」に挑戦するプロジェクト「神戸プラスチックネクスト~みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル~」が始まった。
市が主体となって、小売り4社、日用品メーカー10社、リサイクラー(再資源化事業者)2社が循環型社会の実現に向けて協働する同プロジェクト。自治体と企業などの連携による自主的な取り組みが柱の一つとなる「プラスチック資源循環促進法」の来年4月の施行に先駆けて、日用品のつめかえパック(フィルム容器)を回収・リサイクルして再び詰め替えパックに戻す「水平リサイクル」(フィルムtoフィルム)を目指し、神戸から全国へ広がる取り組みとして推進していく。
同プロジェクトによると、日用品の製品全体に占める詰め替えパックなどの比率は約8割とプラスチック使用量削減に貢献する一方、さまざまな特性を持つ多層構造のフィルムから成る詰め替えパックは、生活者に身近なプラスチック製品にリサイクルされることが少なく、中でも使用済み製品を再び同じ製品にリサイクルする「水平リサイクル」は難しいとされてきたという。
詰め替えパックを市内75店舗で回収し、日用品メーカーがリサイクル試験を通じて課題や技術を共有。水平リサイクルした詰め替えパックを製品として市内店舗で実証販売する。
回収対象は、メーカー問わず洗剤・シャンプー・台所や住まいの手入れ製品など日用品の詰め替えパック。使い終わったものを洗って乾かし、各店舗に設置する回収ボックスへ持参すると神戸市公式アプリ「イイことぐるぐる」ポイントが付与される。
9月29日に行われた共同記者会見で久元喜造神戸市長は「プラスチックごみの削減は非常に大きな問題になってきた。中でも海洋プラスチックごみの削減は世界的にも重要な課題。国際港湾都市の神戸は、古くから海と向き合って恐れながらも海の恵みを受け発展してきた街で海洋都市でもある。この問題は神戸市や市民にとっても真正面から向き合わなければならない。今回の大きな実験を成功させて、神戸から水平リサイクルのモデルを構築できれば」と話した。