神戸ポートアイランドの全天候対応施設「神戸どうぶつ王国」(神戸市中央区港島南町7、TEL 078-302-8899)が2月13日、同施設で飼育しているカンガルー「豆蔵(まめぞう)」の死亡を発表した。
豆蔵は9歳だった。カンガルーの平均寿命が10~15年といわれる中、今年1月末から体調を崩し治療に取り組んでいたが、治療のかいなく2月10日にスタッフが死亡を確認した。
豆蔵は、2012(平成24)年7月15日に兵庫県神崎郡の農業公園「ヨーデルの森」で生まれたアカカンガルーの雄。同施設がオープンした2014(平成26)年に搬入されて以来、「自由でのほほんとした生き方」がSNSを中心に話題となり、全国的な人気者になった。
来園客から「オッサンっぽい」とよく言われる豆蔵の特徴は、「通路のど真ん中にあおむけで寝る」「寝ながらご飯を食べる」「売り餌の台を陣取って、客から餌をもらうのを待ち構えている」「餌やり用のスコップをつかんで離さない」「メスのカンガルーに囲まれて生活している」など。
飼育スタッフがいらなくなった人間用のミニ枕を与えたところ、抱き枕にしたり、頭の下に敷いたりして寝始め、その滑稽なしぐさは国内だけでなく海外メディアでも紹介された。飼育スタッフは「ここまで人間っぽいカンガルーは、ほかではなかなかいない」と振り返る。
同施設1周年には、「豆蔵の親友」と自他共に認めている同施設スタッフが「一度でいいから豆蔵と添い寝したい」との思いから、豆蔵が寝たら始まり起きた時点で終了となる「豆蔵といっしょに寝よう」を企画。「ゆるい」イベントが実現した。
前脚が器用なカンガルーは両手で餌を持って食べることができるため、恵方巻きを食べる節分イベントでも活躍。豆蔵は仲間に見本を見せるようしっかりと恵方巻きを手に持ち恵方を向いて食べていた。
飼育スタッフは「皆さんには長らく豆蔵を見守ってもらい感謝している。カンガルーファームでは、豆蔵の子どもたちが元気に過ごしている。豆蔵の分も愛情を注ぎ、しっかりと育てていきたい」と話す。