神戸新交通(神戸市中央区港島6)が主催する「ポートライナー8000型引退セレモニー」が11月8日、ポートライナー三宮駅(雲井通8)2番線ホームで開催された。
同イベントでは同日引退した「ポートライナー8000型」の最後の運行となる10時52分に合わせ、同社社長や神戸市立港島小学校(港島中町3)の児童が参加し、くす玉を割った。最後の運行は先着300人のみが乗車でき、整理券を手に入れるため前日の夜から並んだ参加者も。
セレモニーで同社中村三郎社長は「1981(昭和56)年2月5日に運行を開始し、その後行われた『ポートアイランド博覧会』では期間中1,600万人の方にご利用いただいた。今日までの28年間無事故で運行、ここに引退セレモニーを迎えられるのは皆さまのおかげ」とあいさつした。
その後、三宮駅の2番線ホームに最後の乗客を乗せるために「ポートライナー8000型」が入線するとギャラリーからは大きな拍手が起こり、カメラのフラッシュが一斉にたかれた。車両に乗り込む参加者たちはそれぞれ、目当ての席を目指して乗り込み、車内からホームの様子などを撮影していた。
長男と2人で訪れていた女性は「朝の8時30分から並んだ。1カ月前に神戸空港へポートライナーを利用した際、息子が『見える景色が違う』と言って、それで2000型と8000型の違いを知った。もう乗れなくなってしまうので寂しい」と話す。1990年代に通勤でポートライナーを利用していたと話す男性は「そのころは就職したてで辛いこともあった。ポートライナーに乗りながら涙を流したこともあり、ポートライナーに支えてもらった気がする。ずっとお世話になったので、『今までありがとう、お疲れ様でした』と言いたい」と心境を明かした。
「ポートライナー8000型」は、世界で初めて無人運転による営業運転を実現した新交通システムの列車として1981(昭和56)年2月から運行。2006年の神戸空港開港や、2007年の私立大学3大学のポートアイランドへの進出で利用客数が増加したことに対応するため、2006年から2000型の導入を開始。今年8月までに17編成が製造された2000型は、8000型に比べて定員が約1割程度多く、軽量のステンレス製で加速性能にも優れるという。