神戸で「フランス額装飾展」-アール・ヌーボーをイメージした39点展示

会場には39点の作品を展示する

会場には39点の作品を展示する

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 神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で12月1日、作品展「坂本宣子 フランス額装飾展」が始まった。

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 同展は「額装工房アールデコ」(港島中町3)の額装デザイナー・坂本宣子さんが制作したフランス額装飾作品39点を展示するもの。絵は古いフランスの新聞や抽象画、写真などさまざまで、作品は坂本さんが好きだという19世紀末からヨーロッパを中心に広まった美術運動「アール・デコ」の時代をイメージして制作。同工房を開いてからの約10年間の区切りとして開催する。

 フランス額装飾は、絵と額縁までのマットに装飾を施し一体化させたもの。日本で一般的とされる既成額への入れ替え式ではなく、一つの絵のためにコーディネートされた専用の額装である点が特徴。1~3ミリの厚紙などを使用して作られる。フランスではルネサンス時代に額装飾としての職業が確立したといわれる。

 日本でテキスタイルデザイナーをしていた坂本さん。その後の1990年から1998年まで家族でフランスで過ごし、そのときに出会ったのがフランス額装飾。坂本さんは「パッと目に入った。こんなすてきなものがあるのだと目からうろこが落ちた」と話す。1998年の帰国後、工房を開いた。「8人の生徒で始まった教室だが、今までに教えた生徒は150人を超える」と振り返る。

 フランス額装飾の魅力について、「作品は自分の子どもみたい。どうすればこの子がもっとかわいく見えるか、すてきに見えるか、どういった際立たせ方をしようかと考える。生徒には『絵に語りかけてください』と伝えている。そうすると絵は『こうデザインしてほしい』と話してくれる。わたしは絵と向き合う時間が一番好き」と話す坂本さん。「絵を生かすために絵を邪魔しないで表現することが大切。フランスの伝統文化なので、今回は正統派でいきたいと、品格があり、エレガンスな作品を意識して制作した」とも。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。今月13日まで。

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