神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で9月15日、企画展「竹紙とあかり展」が始まった。
同展は菅野今竹生(こんちくしょう)さんが製作した竹紙(ちくし)と、その竹紙を使用して岩井笑子さんが製作した「竹紙のあかり」作品合わせて約40点を展示するもの。「竹紙のあかり」作品は上からつるしたものや、床に置いて下からライトを当てたものなどさまざまで、素材は木の枝などを使用しているという。
竹紙とは、竹の繊維から作られた紙のことで、現在ではランプや障子などのインテリアとして使われることもある。主に「モウソウチク」「マダケ」「ハチク」などを使用し、大釜で長時間煮詰める「煮熟(しゃじゅく)」、水槽に溶かした竹の繊維をすくい上げる「髪漉(かみすき)」などの工程を経て製作される。大小さまざまな木枠で作られ、大きいものでは長さ2メートルのものも。
会場には色付けした竹紙を使用した明かりも展示しているが、染料はすべて自然のものを使用しているという。竹紙の繊維は和紙より荒いため、作り方によっては所々紙のない部分があり、明かり作品になると光が直接見える部分と見えない部分があるのが特徴。明かり作品を作り始めて9年になるという岩井さんは「光源とそれを見る人の間に竹紙が入ることで、光を和らげるのが魅力。それぞれの作品が発する雰囲気を味わってほしい」と話す。
「設計図は書かない」という岩井さん。「作りながら形が決まっていって、やり直すことも多い。その場その場で決めていく製作スタイルだが、作品を作っていると自分の気持ちが落ち着くのがいい」とも。「作品にテーマはない。大事にしているのは自分の好きなもの、自分のそばに置きたいと思うもの。竹を使っているが、コンクリート打ちっぱなしのような場所にも非常によく合う」とその魅力を語る。
開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。10月4日まで。