神戸で「古裂」を使った作品展-クッションやかばんなど50点展示

会場には約50点の作品を展示する

会場には約50点の作品を展示する

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 神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で10月5日、企画展「酒井邦子と仲間の古裂(こぎれ)あそび」が始まった。

野菜や動物などをかたどった作品

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 同展は古裂を用いた作品約50点を展示するもので、出展は酒井邦子さんと酒井さんが主宰する「古裂あそび教室」の生徒33人。展示する作品はクッションやかばん、小物、パッチワーク風に縫い合わせたタペストリーなどさまざまで、それぞれが家にある古裂を持ち寄って作ったものも展示する。

 古裂とは江戸、明治時代あたりの服装として主流だった和服の生地のことで、一般には「古布(こふ)」ともいう。それ以前の桃山時代には、身分の高い公家や武家のみが着ることの出来た絹に対し、庶民はぜいたくを許されず麻などの繊維食物を編んで重ね着していた。江戸時代に入り色の規制が解けるとともに型染、しま、格子の文様を楽しむようになったという。古裂には和服の生地のほかにも風呂敷や布団、のれんをばらしたものなどがある。

 会場は約50点の作品が所狭しと展示されているにもかかわらず、落ち着いた雰囲気を醸し出している。それには「藍染木綿の温かみにとりこになった」ことがきっかけで古裂を使った作品作りを初めたという酒井さんの「和」に対するこだわりがある。酒井さんは「和の雰囲気は落ち着いているが決して暗くない。洋だと色がありすぎてけんかする場合もあるが、和はどんな風に布を重ねても大丈夫」と、その魅力を語る。

 酒井さんは「昔のものなので、破れて使えないところもあるが、ほかの布を当てるなど工夫する作業がまた楽しい。思い入れのある生地を新たな作品として蘇らせることができるので、作品によっては感慨深いものもある」とも。「古裂を通して仲間もできたので、けいこだけじゃない楽しみが広がっている。とにかく布が好きなので、これからもたくさんのすてきな布に出会い、作品を作っていきたい」と意欲をみせる。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。今月25日まで。

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