全国のバイクライダーが東北被災地へ元気と募金を届けるプロジェクト「第1回 日本一周 One World バトンリレー」が1月17日、「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」(神戸市中央区脇浜海岸通1)からスタートした。
同イベントは、バイクの機動力を生かした緊急援助隊「BERT(Bikers Emergency Response Team)」が主催。同組織は、日本出身者として初のWGP世界チャンピオンで神戸生まれのモーターサイクル・ロードレースライダー片山敬済さんが呼び掛け、昨年9月に発足した。
同組織を中心にフェイスブック内で自然発生的に立ち上がった同プロジェクト。走行ルートを登録したバイクライダーが全国各地で募金活動を行いながら東北被災地まで「愛のバトン」をつなぐ。集まったライダーには、学生、大学教員、主婦などの一般に加え、タレントで国際Aライセンス選手の清水国明さん、モデルでエッセイストの木村東吉さん、エッセイストでラリーストの三好礼子(山村レイコ)さん、フリーライターの小林夕里子さんなどが自発的に参加を表明。この1週間で約80人増え、現在は200人を超える。
初日の17日、東ルートを担当する製薬会社役員の腰山峰子さん、西ルートを担当する神戸情報大学院大学の福岡賢二副学長それぞれに、兵庫県庁職員の小山達也さんからバトンが手渡され2台のバイクがスタート。ここから全10本あるロット番号付き「愛のバトン」が分岐しながら全国各地を巡る。
翌18日、西ルートの最初の到着地に選ばれたのは、神戸電子専門学校(北野町1)と神戸情報大学院大学(加納町2)。当日は、同専門学校学園北野館エントランスに両校の教職員や学生が集まり、スタートライダーの福岡さんを拍手で出迎えた。発起人の片山さん、ライダーの福岡さん、バトンを引き継ぐ環境技術コンサルティング会社役員の廣岡信重さんがあいさつした後、会場に集まった138人が輪になり全員で声を合わせてカウントしながらバトンを回した。併せて、昨年3月から同校が継続して行っている募金活動で集められた募金もライダーに手渡された。
福岡さんは「この活動は、東北被災地に足を運べない人が地元にいながら支援ができる。点が線になりつながっていくことで一体感が生まれる」と話す。片山さんは「このバトンに、一人でも多くの人の思いを込めていただきたい。すでに海外でもバトンを回してほしいと待っている人がいる」と話した。
3月11日には、宮城、福島、岩手3県庁に第一陣が立ち寄り報告。9月1日の「防災の日」にルート走行を終えて、東北3県庁にバトンが到着する。走行状況は随時フェイスブックで知らせていく。