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「神戸・清盛隊」が復活イベント、「新しい平成のエンターテインメントに」-プロデューサー・若見しのぶさんと「神戸・清盛隊」のメンバーに聞く

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■「神戸・清盛隊」について


・「神戸・清盛隊」とは?

若見さん:平安時代より呼び起こされスマホ型タイムマシンで平成に「やって来た」平清盛、重盛、宗盛、知盛、重衡、敦盛の平家ファミリーと謎の人物・GIONの7人で構成された「神戸・清盛隊」。本拠地である歴史館が閉幕した1月14日に平安に「戻り」眠りについていた7人だったが、ファンからの「清盛隊を存続させてほしい」という多くの声援に応えるため、4月1日に復活を宣言。5月3日に復活第1弾イベントを開き、6日には「兵庫津歴史館・岡方倶楽部」で「おもてなし」を開催し、ファンとの久しぶりの交流を楽しんだ。

・これまでで苦労したことは?

若見さん:ピンチはたくさんあった。知盛の体調がすぐれず、人知れず悩んでいたこともあった。宗盛はファンの方のお見送りをしたいと焦るあまりはかまの裾を踏んで転び手を骨折したことも。毎週末に行っていた演舞では激しい踊りもあり、骨折した手でどうするかと悩んでいたが、スタッフの考えでカラフルな三角巾が作られ、弟の知盛と重衡は宗盛を助けるような演舞を考え始めた。演舞当日、早朝から3人と稽古をしていたら、いつの間にか棟梁(とうりょう)・清盛もいて、「もっと堂々と」など声を掛けている。そして気づいたら、ほかのメンバーもそろっていた。それを見てこの人たちは本当の家族であり、強い思いと絆で結ばれていると感じた。

■復活
・復活のきっかけとは?

若見さん:今年1月14日に閉幕したが、その時から絶対に復活する、復活してほしい、させたいという強い気持ちがあった。昨年末ごろからファンの方からも「存続させてほしい」という声をたくさん頂いていたし、メンバーの中にも「続けたい」という気持ちがあった。

実はその頃から復活の儀のオープニングで映像を使おうと「もし復活したらどうする?」とメンバーに問いかけるビデオも撮っていた。誰一人かけることなく復活できたのは、メンバーやファンの方を含めたくさんの方のおかげ。

・グッズにも力をいれたのですね。

若見さん:グッズは全てメンバーがプロデュースしたもの。ファンの方はお子さまからお母さん世代、年配の方までさまざまなので、ファンの方と一番触れ合っているメンバーの意見を尊重して決めていった。デザインや値段にすごくこだわったので、時間がかかり大慌てで作ったが、できあがったのは発売の2~3日前(笑)。今後もメンバーそれぞれの個性を生かしたグッズを販売していきたい。

・復活で苦労した点は?

若見さん:これまで演舞などを披露していた歴史館が無くなったので、復活しても活動拠点がないこと。どこで演舞を披露しようか、どこでファンの方と交流できるか、今でも悩んでいる。でも、走りだしたからにはいろいろな形でいろいろな機会を設けていきたい。「あそこに行けば会える」というスタイルではなくなった分、ファンの方はあっちこっちと大変かもしれないのが申し訳ない。今は活動拠点の問題が一番障害だと感じている。

■復活第一弾イベント
・チケットが約8分で完売

若見さん:チケットは2~3日程度で完売してほしい、いや絶対してくれると信じていたが、発売時間が近づくとそわそわしていた。電話で「約8分で完売した」という知らせを受けたときは、うれしさとともに緊張が押し寄せた。

・「清盛隊」の様子は?

若見さん:平安時代から戻ってから復活の儀まで時間がなかったので、歴史館でやっていた時のようにいくかどうか少し不安に思っていたが、オープニングのVTRが流れた時点で閉幕前にタイムスリップしたかのように以前の空気に戻った気がした。歴史館で披露していた時よりも、メンバーの呼吸がぴったり合っていたのには驚いた。マイクトラブルなどもあったが、棟梁(とうりょう)の機転と皆の呼吸で乗り越えた。歌や踊りは練習すればうまくなるが、呼吸が合う・合わないは彼らがつくり上げたもの。やはりメンバーは家族だなと感じ、正直にうれしかった。

・ファンについて

若見さん:オープニングから盛り上がってくれたのがうれしかった。まさかオープニングのVTRで拍手や手拍子を頂けると思っていなかったので本当にありがたかった。気軽に声を掛けていただけるのもありがたい。以前よりも露出する機会が少ない分、ファンの方が友人や会社の同僚などに広めてくれたらうれしい。もちろん、私たちも全力で頑張るので、これからも応援していただけたら。

・イベントを終えて

若見さん:ホッとしているというよりも、まだまだやらないといけないことの方が多すぎて、まだまだ走り続けないといけないと感じている。ここまでは私は第二幕の幕を開けることが仕事だったので、幕が開いた以上、次のことをしなければいけない立場。焦っているし、不安もたくさんあるが、すごく楽しみ。怖い気持ちもあるが、前だけ向いて頑張っていきたい。

■「神戸・清盛隊」の今後について


・棟梁・平清盛

復活イベント当日はこんなに大きい反応がいただけるのかとびっくりした。オープニングのVTRから手拍子をもらって、自分たちだけでなくお客さまの生活の一部になれていたのだと感動した。まだお会いしていない方にはぜひ一度会いに来てほしい。今後は1000人規模の会場で、演舞だけでない新しい作品や平家の思いや歴史を伝えられるようなショーや芝居を開きたい。

「神戸・清盛隊」のメンバーは手のかかるやつらばかり(笑)。でもあいつらがいないと成り立たない。家族一丸となって来てくれる方を楽しませ、7人みんなで大きくなっていきたい。

・重盛

閉幕から3カ月空いてしまったが、これだけたくさんの方が待っていてくれていたのだと泣きそうになるほど本当にうれしかった。よく会いに来てくれていたお子さまが大きくなっていたのに驚いた(笑)。兵庫県で100人に「神戸・清盛隊を知っているか」と聞いたら、100人が知っていると言われるようになりたい。いつかは日本を手中に収めたい。

・宗盛

復活イベントが始まる直前まで実感がなかったが、ファンの方の声を聞いて「やっと帰ってきた、今始まった」と感じた。当日は自分が楽しんだら、みんなも楽しいはずだと信じて思い切り楽しんだ。これからがスタート、日本全国、海外にも行きたい。それにはファンの方の応援があってこそ。ファンの方には「応援しろよ!」と上から目線で言いたい(笑)。作詞をしているので、「神戸・清盛隊」の歌を作っていけたら。

・知盛

ファンの皆さまには長い間待っていただいたので、会えた時は本当に感動して、とても楽しかった。復活イベントの「甦」、新曲の「想」の字を担当し筆で書けたのはうれしかった。「甦」という字はわれらが乗ってつかまれるようにとがったイメージ。今後は、神戸といえば清盛隊、書道といえば知盛と言われるようになりたい。

・重衡

復活イベントはとにかく楽しかった。ずっと楽しみにしていたが、ステージで照明が当たりファンの方の顔が見えた時は少し恥ずかしかった(笑)。「咲顔(えがお)」という曲も、笑顔という言葉も好きで、笑顔でいたらいいことがあると思っている。自分がきっかけでみんなが笑顔になれれば幸せ。これからはこれまでより、もっと笑いをとりたい(笑)。芝居や、全国の武将隊を集めた「大運動会」などやりたいことはたくさんあるが、個人的には棟梁にもっと頼られる存在になりたい。

・敦盛

復活まで時間がかかったので、やっと復活できるとイベント当日はすごくうれしかった。閉幕から3カ月空いているし、イベントの多いゴールデンウイークと重なって、ファンの方が集まってくれるのかが心配だったが、お客さまの前に立つと泣いている方もいてうれしかった。ただ、これからが始まり。今まで以上に頑張りたい。「清盛隊と行くバスツアー」やイベント出演など、やりたいことはたくさん。ホールでやるのが気持ちよかったので、復活イベントのようなスペシャルイベントもまたやりたい。

・謎の人物・GION(ぎおん)

復活イベントは一言、楽しかった(笑)。会場に一体感が生まれるのがすごくて、ライトを当ててもらうのは気持ちよかった。オープニングVTRで手拍子をいただき、拍手や歓声もありがたかった。これからは神戸各地や、おいしい店に行って自分が感じたことを発信していきたい。神戸が大好きなので神戸のおいしい店をグルメツアーで回りたい。お茶会や「GIONと行くバイキングツアー」もやりたい。


若見さん:現在日本には約50の武将隊が存在する。「神戸・清盛隊」は武将隊の中では珍しく甲冑(かっちゅう)を着ず、みやびな服を着て歌や踊りも軽やかにこなす。武将隊の枠にとらわれず、新しい平成のエンターテインメントをやっていきたい。
また歌舞伎や落語、オーケストラ、ファッションショーなどとコラボレーションするなどアイデアはいっぱい。どんどん新しいことにチャレンジしていきたい。
加えて神戸の街を出歩いたり、観光客に神戸の名所や料理のおいしい店を紹介したり、「神戸・清盛隊」の名に恥じないよう神戸を盛り上げて行きたい。

■インタビューを終えて
復活イベント当日、会場には数量限定のグッズを求め行列ができた。手作りのうちわや関連グッズのTシャツやマフラータオルなどを身に付け、ファン同士も久々の再会を楽しんでいる様子が窺えた。東京や広島など遠方からの参加者もあり、口をそろえたように「この日を待っていた」と笑顔を見せていた。メンバーが登場すると泣き出すファンの姿もあり、棟梁・平清盛が「ただ今」といった場面では観客から「お帰り」と大きな歓声が上がった。

栃木から約6時間かけて来神した女性は「7人それぞれのカラーがあって甲乙つけがたい魅力がある」、県内から参加した女性は「それぞれがすてきだけど、清盛隊だからこそ個人が輝いて見える。歌もいいし、笑わせてくれるところも好き」、東京から来神した女性は「復活を知ってからずっと幸せな気分だった。でも実際に会えると夢のようで涙が止まらなかった」とその魅力を語ってくれた。

現在は活動拠点がない状態の「神戸・清盛隊」だが、「1000人規模の会場でイベントをやりたい」「武将隊を集めて大運動会をやりたい」などさまざまな展望を聞かせてくれた。今後も「神戸・清盛隊」の活動に注目していきたい。

神戸・清盛隊

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