神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で4月28日、同館開館10周年を記念する企画展「グラスリッツェン10人展~プライベートな空間~」が始まった。
同展は、アトリエ「STELLA MARIS(ステラマリス)」主宰の長沼敦子さんと同アトリエのメンバー10人が「お気に入りのプライベートな空間」を表現したもの。「ドレッサーを1人1台持つ」をテーマに、鏡や香水ビンなどにグラスリッツェンを施した作品約130点を展示する。
グラスリッツェンとはダイヤモンドポイント彫刻を示すスイスでの造語。作品はクリスタルなどのガラスを、下絵を用いて彫っていくもので、彫りの深さで遠近感を出すという。作品の中には、制作に1カ月以上を要したものも。
グラスリッツェンを含むダイヤモンドポイント彫りとは、16世紀ごろにベネチアで始まったガラス装飾技法。18世紀にはダイヤモンドの大きな粒子を棒の先端に埋め込んだ道具を使用していたが、時代を経てダイヤモンドの微粒子を針の先端に塗布した道具が開発され技術がさらに発展。「現在では道具の改良によって誰にでも手軽に楽しめるようになった」(長沼さん)。
15年前にグラスリッツェンを知ったという長沼さんは「もともと美術に興味があった。色を着けず、無色透明なところに彫るのは全く飽きがこない。始めてからどんどん好きになっていっている」と話す。「鏡に彫るのは彫りが二重に写ってしまうため大変難しい。ぜひ鏡を彫った作品を見ていただければ」とも。
開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。5月17日まで。