神戸・元町にあったラトビア雑貨専門店「SUBARU(スバル)」(神戸市須磨区衣掛町4、TEL 078-736-5233)が開業10周年記念日の9月17日、神戸市立須磨海浜水族園近くに移転オープンした。
店舗面積は15坪。森の中にあるラトビアの博物館や昔ながらの民家の内装からヒントを得たという店内には、「ラトビア共和国の豊かな自然と伝統、その丁寧な暮らしぶりから生まれる手仕事」の商品を約500点(卸売り、小売り)取り扱う。いずれも店主の溝口明子さん自らラトビアの工房や作家を巡り一点ずつオーダー。町をくまなく歩いて買い付けたバスケット、ミトン、木製台所用品、織物などの生活雑貨をそろえる。
移転後はこれまでの店舗にはなかったカフェスペースを新設。ラトビアのハーブ農家直送のハーブティー(600円~)をラトビアの陶器で提供し、溝口さんが収集してきたラトビア関連書籍や資料などが自由に閲覧できる。移転に合わせて店舗のロゴも一新した。
溝口さんは10年弱の公務員生活を経て、2009(平成21)年9月に同店の前身となる雑貨店「SUBARU」を栄町通で開業した。次第に主な仕入れ先であったラトビア共和国に魅せられ、2013(平成25)年3月に実店舗を閉めラトビアの首都リガ市へ移住。ラトビアで1年半生活し、仕事の傍ら以前から興味のあった伝統文化や音楽を学んだ。
現在は同店を経営する一方で、ラトビア伝統音楽の演奏やラトビアに関する出版物のコーディネイトも行い、書籍「持ち帰りたいラトビア SUBARUとめぐる雑貨と暮らしの旅」の刊行、国内初のラトビア音楽ユニット「UZMANIBU(ウズマニーブ)」では日本では珍しいラトビアの伝統楽器「クアクレ」を担当している。
2014(平成26)年11月に関西日本ラトビア協会の理事、2018(平成30)年9月には常務理事に就任。日本とラトビアの草の根レベルの文化交流にも励み、2017(平成29)年7月には駐日ラトビア共和国大使より両国の関係促進への貢献に対する感謝状を受けた。毎年6月にはラトビアの手仕事を巡るツアーも企画し、例年、年初に参加者の募集を開始する。
溝口さんは「雑貨店を開業してから10周年の節目に私が関わってきたラトビアの全てが詰まった集大成のような場所をオープンすることができた。ただ雑貨を販売するだけでなく、ラトビアが好きな人や興味を持っている人が集う新たな聖地となれるよう、これからもさまざまな角度からラトビアの伝統や魅力を発信していきたい」と話す。
営業時間は11時30分~17時30分。日曜・月曜・祝日定休。