神戸・六甲山の山上を舞台に、自然の中で数々のアート作品を楽しむ現代アートの展覧会「六甲ミーツ・アート芸術散歩2020」が9月12日、開幕した。主催は六甲山観光(神戸市灘区六甲山町一ケ谷)。
同展は2010(平成22)年から毎年秋に開催しており、今年で11回目。国内外から招待、公募で集まったアーティストたちが山上の各施設に作品を展示する。展示会場は六甲ケーブル下駅・山上駅、六甲高山植物園、六甲ガーデンテラスなど全12会場に加え、今年は新たにサテライト会場として有馬温泉(北区)エリア、JR新神戸駅が加わり過去最多の会場数。出展アーティストも招待アーティスト28組、公募アーティスト16組の総勢44組で過去最多となった。
今期の開催決定について、六甲山観光の宮西幸治社長は「新型コロナウイルスの影響で今年は各地のアートイベントが中止となり、アーティストの活躍の場が減っているので発表の場を設けたいと考えた。また多くの方が『秋の六甲山といえば、六甲ミーツ・アート』と期待を寄せてくださっていることから開催を決めた」と話す。
六甲有馬ロープウェイ山頂駅にある休止線のプラットホームで、遊園地から譲り受けたメロディーペットを使った作品「センチメンタルパーク駅~追憶のなかの楽園~」を展示する神戸市出身の招待アーティスト・竹内みかさんは「生まれ育った神戸で発信し続け、憧れだった六甲ミーツ・アートで展示できることがとてもうれしい。役目を終えたメロディーペットたちが再び作品として命を吹き返し、空へと飛び立とうとしているこの空間に立って、記憶の中の遊園地やメロディーペットの未来に思いをはせてほしい」と作品に込めた思いを話す。「展示場所の入り口には制作過程を収録した映像を放映しているので、作品と合わせてご覧いただければ」とも。
同展では毎年、公募アーティストの中から公募大賞を選出し、開幕前日に発表する。今年のグランプリは自然体感展望台「六甲枝垂(しだ)れ」に展示する上坂直さんの作品で、六甲山の施設の中から5つの施設を精巧に縮小、再現した「六甲景鏡(ろっこうけいきょう)」が選ばれた。
開催時間は10時~17時。9月17日・24日休業。鑑賞パスポートは、大人=2,500円、小学生=1,000円。乗車券(六甲ケーブル往復、六甲山上バス乗り放題)付き鑑賞パスポートは、大人=3,670円、小学生=1,640円。10月の土曜・日曜と11月中は一部施設で夜間イベント「ザ・ナイトミュージアム~夜の芸術散歩~」も開催。11月23日まで。