神戸ロケ映画「みぽりん」の松本大樹監督による新作「コケシ・セレナーデ」が12月11日から、神戸ハーバーランドのumieサウスモール5階「OSシネマズ神戸ハーバーランド」(神戸市中央区東川崎町1)で公開される。
監督・撮影・脚本・編集は神戸出身の松本大樹さん。昨年、初監督した長編自主制作映画「みぽりん」は、カナザワ映画祭2019「期待の新人監督」部門で観客賞を受賞。「みぽらー」と称される熱心なファンを獲得し、近畿エリアだけでなく、関東、九州、北海道、中部などの映画館で上映された。「おおさかシネマフェスティバル2020」では「ワイルドバンチ賞」を獲得している。
新型コロナウイルスの影響で予定していた仕事がストップし、自粛生活を余儀なくされた松本監督は「みぽりん」の役者陣が本人役で出演するリモート短編映画「はるかのとびら」をわずか3日で完全リモート製作。5月8日にはユーチューブで無料公開し話題を呼んだ。
松本監督の製作意欲は止まることなく、5月末には2本目の長編映画となる同作を企画・クランクイン。日本映画製作者連盟が策定した「映画撮影における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に従い感染症対策をしながら、家の中だけの1シチュエーションかつ少人数体制で撮影した。さまざまな表現の工夫を凝らしながら、わずか1カ月半という短い期間で完成させたという。
同作は、「みぽりん」「はるかのとびら」の音楽を担当した三田市出身アーティストの片山大輔さん(桜井大輔役)、片山さんとは音大時代の同級生という佐藤萌々花さん(妻・萌々花役)がダブル主演。新型ウイルスが蔓延する中、仕事を完全に失い落ち込む作曲家の夫と妻が次々と買い続けていくこけしとの奇妙な自粛生活を描く。同作の音楽も片山さんが担当。
来年は、大阪「シネ・ヌーヴォ」、京都「京都みなみ会館」でも順次公開。早くも神戸の劇団「ゲキ集団BumpyBox」による舞台化公演も予定されているという。
松本監督は「試練の年となったが、おかげさまで今年もなんとか新作を完成させることができた。キャスト・スタッフ・関係者、応援してくださった皆さま、そして公開を決めてくださった劇場関係者の皆さまへの感謝の気持ちでいっぱい。逆境にくじけず、今後も末長く作品を作り続けていきたい」と話す。
チケットはネットでも販売する。スケジュールは同館サイトで確認できる。