神戸メリケンパークにある「ホテルオークラ神戸」(神戸市中央区波止場町、TEL 078-333-0111)が9月1日の「防災の日」、災害時などに一時滞在場所を提供する協力事業協定を神戸市と締結したと発表した。
2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災では、公共交通機関の運行停止により首都圏で多くの帰宅困難者が発生。2018(平成30)年6月には、関西地方でも大阪北部地震により多くの帰宅困難者が発生している。
神戸市では、「一斉帰宅の抑制」「一時滞在施設の確保」「帰宅支援」を帰宅困難者対策の3つの柱とし取り組みを進めており、2014(平成26)年3月に「神戸市帰宅困難者対策基本指針」を策定。指針に沿って具体的な計画やマニュアルを作成することで、帰宅困難者への対応に備えている。
帰宅困難者の大半は、三宮駅周辺地域を中心として発生することが予測され、行き場のない人が安全に滞在できるよう、一時滞在施設としての協力施設の確保も進めており、同ホテルが一時滞在施設協力事業者として登録した。
同ホテルでは「一斉帰宅抑制」「一時滞在施設」の登録を行い、大規模災害の発生時には帰宅困難者へ一時滞在場所を提供。大宴会場「Heian-平安-」をはじめ、宴会場13カ所(計3408平方メートル、収容人数計2010人)を活用し、水道・トイレなどの設備、災害・交通情報を提供するほか、神戸市から提供された飲料水・食料・毛布などの備蓄物資を配布する。
同ホテル総合企画室室長の仲村昌和さんは「当ホテルでは、独自の災害対応マニュアルを今夏改訂し、定期的に防災訓練、防災教育を行うことで災害時の備えに取り組んでいる。全従業員が内容を理解し、組織一体となって迅速な行動をとるための指針であり、いつ起こるか分からない災害や事故など『その時』に備え、組織としての事態対処能力の向上に努めていく」と話す。