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元町映画館で「ろう者と災害」の10年記録した映画「きこえなかったあの日」

元町映画館で映画監督・今村彩子さんによるドキュメンタリー映画「きこえなかったあの日」公開

元町映画館で映画監督・今村彩子さんによるドキュメンタリー映画「きこえなかったあの日」公開

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 映画監督・今村彩子さんが「ろう者と災害」の10年を記録したドキュメンタリー映画「きこえなかったあの日」が4月17日から、元町商店街4丁目のミニシアター「元町映画館」(神戸市中央区元町通4、TEL 078-366-2636)で上映される。

映画「きこえなかったあの日」場面画像

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 今村さんは名古屋出身で、生まれつき耳が聞こえないろう者。愛知教育大学在学中にアメリカに留学し、映画やアメリカの手話、ろう文化を学んだ。現在は名古屋を拠点に、大学で講師をしながら映画を制作し、全国各地で講演、上映活動を行っている。

 主な作品はサーフショップ&ハワイアン雑貨店を営むろう者の店長の日々を追った「珈琲(コーヒー)とエンピツ」(2011年)、東日本大震災で被災したろう者・難聴者を取材した「架け橋 きこえなかった3.11」(2013年)、自身が自転車で日本縦断を行ったロードムービー「Start Line(スタートライン)」(2016年)、アスペルガー症候群の友人との関係を模索するドキュメンタリー「友達やめた。」(2020年)。ろう・難聴LGBTを取材した教材DVDのほか、LGBTやHIV・エイズ予防啓発をテーマにした映像作品なども制作している。

 東日本大震災から今年で10年。発生直後から宮城の被災ろう者の元に通い、避難所から仮設住宅での生活、現在の新居での新しい生活を見つめてきた今村監督は、この間、熊本地震、西日本豪雨、新型コロナウイルスの流行といった困難の渦中にいるろう者の姿を記録し続けてきた。

 今村監督は「毎年のように災害が起こり、耳の聞こえない人たちも窮地に立たされてきたが、取材で現地を訪れてみると、そこには確かな『希望』もあった。災害の渦中で、少しでも前に進もうとしている人々の姿に、人間のたくましさを見る思いだった。東日本大震災で被災したろう者たちを取材しながら、当時の私は耳の聞こえない人たちのことを『知ってほしい』と思っていたが、今は一人の人として『出会ってほしい』と思っている。そして、どうしたらより心を通い合わせられるのかを一緒に考えてもらえたら」と話す。

 18日の上映後には、今村監督と2002(平成14)年に全国で初めて防災専門学科が新設された舞子高校環境防災科の学生によるトークショーを行う。イベントには手話通訳が付く。事前予約はなく当日券のみ。新型コロナウイルス感染拡大状況により、登壇できなくなる場合もある。

 上映時間は、17日~23日=14時50分~、23日~30日=10時30分~(116分)。料金は、一般=1,700円、学生=1,000円、60歳以上=1,200円。

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