神戸の老舗ベーカリー「ケルン(KOLN)」(神戸市東灘区御影中町1)が現在、同社の看板商品「チョコッペ」発売50年企画を展開している。
1946(昭和21)年に御影で創業し、神戸エリアに直営店を展開する同ベーカリー。
ソフトフランスにミルクチョコをサンドしたチョコッペは1974(昭和49)年に発売。来年50年を迎える。当時は、小麦粉、酵母、塩、水の基本材料で作るシンプルなパンに甘い物を挟む文化がなく、先代に当たる2代目社長がフランスパンを使った菓子パンにチャレンジしようと開発を始めたのが、同商品誕生のきっかけという。
同商品の特徴で紙の帯も「巻いたらかわいいのではないか」という2代目社長のアイデアで、同社は、「パンをわざわざ帯で着飾り販売する」のは日本初だったとする。発売以来、レシピや帯のデザインは変わっていないという。
発売当時は一日当たり、御影本店で400~500本を販売。現在ではケルン全8店舗で1300本~1600本を販売しており、7月時点の累計では、少なく見積もっても2200万本を販売しているという。
3代目社長の壷井豪さんは「ケルンでは50年間愛され続けたチョコッペなど人気の『長寿パン』が多数存在しているが、開発段階で一番にこだわっているのは、生地そのもののおいしさ。ベースである生地がおいしくなければいくら高級食材をトッピングしても全て台無しになってしまう。あくまでもお客さま視点で『お客さまが望んでいるパンを作る』ことをモットーに、『格好つけないパン作り』も大切にしている」と話す。
発売から50年を迎えるに当たり、同社では現在、文章、写真、イラスト、俳句などによる「チョコッペとの思い出」を募集している。応募方法は、投稿フォームと郵送。集まった思い出の中から選定した作品を来年制作予定の「チョコッペファンブック(仮)」に掲載するほか、抽選で53人に、チョコッペ10本分の特大サイズで非売品のビッグチョコッペのほか、チョコッペタオル、チョコッペキーホルダー、ケルンオリジナルマスキングテープなどを進呈する。
思い出の募集は8月21日まで。