「しあわせ運べるように」作者の臼井さん、神戸学校で講演

講演を行う臼井真さん

講演を行う臼井真さん

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 フェリシモ(神戸市中央区浪花町)主催の「神戸学校」が1月23日、神戸市立明親小学校(兵庫区)音楽教諭の臼井真さんを迎えてエスパスフェリシモホール(須磨区)で開催された。テーマは「歌に託した未来へのメッセージ」。

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 参加者から大きな拍手で迎えられた臼井さんは明親小学校の生徒107人で構成する「しあわせ運ぶ合唱団」とともに登場。「ほかの学校の先生が自分で作った曲を子どもたちが歌っている姿を見ていいと思った」と26年前に初めて作った曲など約10曲を披露した。阪神・淡路大震災をきっかけに臼井さんが作った「しあわせ運べるように」の合唱が終わると、会場では涙をぬぐう参加者の姿も見られた。

 大学を卒業した当時は「恥ずかしがり屋だから誰かが見ていると震えるし、声が上ずるから無理」と、教師になりたいとは思っていなかったという臼井さん。教師になったきっかけについて、「教師の資格だけは取りたいと教育実習に行って中学1年生を担当したら、生徒がみんなかわいかった。実習の終了時には手紙などをもらいうれしかった」と振り返る。「後々になってから、教師は自分の天職だと思った」とも。

 「しあわせ運べるように」は神戸ルミナリエでも歌い継がれ、神戸から新潟へ、そして英語や台湾語、ペルシャ語にも訳され海外で歌われている。自身も同震災で自宅が全壊した臼井さんは「テレビで三宮の悲惨の状況を見て神戸の街が消えてしまったような気がした。そんな精神状態のときに思いつくまま詩と曲を書き、できた曲」と話す。

 続く質疑応答で、会場の女性から「子どもを育てていく中で、音楽を好きになるにはどうしたらいいのか」を問われた臼井さんは「子どもが家にいる時に歌ったり、リコーダーの練習をしたりすると『下手だから歌わないで』『うるさいからやめて』などと言われると子どもは傷つき音楽から遠ざかってしまう。褒めて育ててあげるのが一番では」と答えた。

 フェリシモが主催する「神戸学校」は1995年の阪神淡路大震災をきっかけにスタートし、今回で153回目を数えた。参加料は全額、「あしなが育英会」の神戸レインボーハウス運営支援に活用される。

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