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神戸が製作拠点の映画「生きてるものはいないのか」-石井監督が舞台あいさつ

神戸を製作の拠点にした映画「生きてるものはいないのか」より

神戸を製作の拠点にした映画「生きてるものはいないのか」より

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 神戸・旧居留地の映画館「シネ・リーブル神戸」(神戸市中央区浪花町、TEL 078-334-2126)で2月25日、神戸を製作の拠点にした映画「生きてるものはいないのか」が公開される。

映画「生きてるものはいないのか」のワンシーン

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 同作品は、1957(昭和32)年福岡県出身の石井聰互(そうご)改め石井岳龍(がくりゅう)監督10年ぶりの長編新作。石井監督は1976(昭和51)年、日本大学芸術学部入学直後に8ミリ映画でデビュー。大学卒業製作の「狂い咲きサンダーロード」(1980年)でジャパニーズ・ニューウエーブの急先鋒(せんぽう)となる。カルト作「爆裂都市Burst City」(1982年)公開後、「逆噴射家族」(1984年)は海外でも高い評価を受ける。その後、数々の音楽ビデオや実験的短編映画製作に打ち込み、1994年に再び長編映画製作にカムバック。「ELECTRIC DRAGON 80000V」(2001年)などのジャンルを超越した作品では製作・撮影を兼ねたデジタルベースの個人映画で全国上映ツアーを行う。

 原作は、劇作家・前田司郎さんの同名戯曲。病院に併設され怪しい都市伝説がささやかれる大学キャンパスを舞台に「妹を探す怪しい男」「三角関係の学生と喫茶店員」「医療事務員に片思いの耳鼻科医」「アイドル大学生」などの登場人物18人が次々と謎の最期を迎える。全編を通してコメディー会話劇と石井監督ならではのパンク表現が飛び交う。主演は、ベネチア国際映画祭で新人賞を受賞した染谷将太さん。

 2006年より神戸芸術工科大学(西区)で映画創作の実習授業も担当している石井監督は、自身が教壇に立つ同大を舞台に撮影し、同大学生や卒業生総勢50人をスタッフに起用した。同大で撮影しようと思ったきっかけについて、「丘の上の神殿のような趣があり、神話的なイメージを出しやすいと考えた。よく知って親しんでおり、狙いを決めやすかった。卒業生や学生の職業訓練、人材育成という意味もある」と明かす。ポートアイランド市民広場(港島中町6)などでも撮影が行われた。

 石井監督は「ラストシーンの撮影を大学裏手の丘の上で行ったが、ラストショットで奇跡が起こったように狙い通りの夕焼けになり、希少な素晴らしい映像を収める事ができた。感謝と共に心底感動を覚えた」と撮影時のエピソードを語る。

 初日の25日には舞台あいさつが決定。石井監督(14時30分の回上映後)が登壇する。

 関連イベントとして、「music zoo KOBE 太陽と虎」(琴ノ緒町2)で神戸出身のロックバンド「ガガガSP」などを迎えたライブと石井監督との対談(22日)、「神戸アートビレッジセンター」(兵庫区)で石井監督とゲストによる映画演技セミナー(26日)も予定。3月3日~9日は「元町映画館」(元町通4)で石井監督作品「狂い咲きサンダーロード」(連日19時~)を上映(25日の上映後はトークショーあり)する。詳細は公式サイトで確認できる。

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