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神戸にHIVとLGBTのための生活安心センター開設 兵庫県下初

「ともいきネット」代表代行の繁内幸治さん(「BASE KOBE」代表)

「ともいきネット」代表代行の繁内幸治さん(「BASE KOBE」代表)

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 神戸駅近くの「ハイツ神戸」(神戸市中央区多聞通1)312・313号室に4月1日、兵庫県下初のHIVとLGBTのための生活安心センター「ともいき事務局」が開設された。

シェルターとしても利用できる和室スペース

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 「ともいき」は、「エイズとともに生きる」という世界のエイズ対策から学んだ活動方針。1985(昭和60)年1月17日に日本で女性のエイズ患者第1号が公表された際のさまざまな経験を教訓に、兵庫の地に根付いたHIV陽性者、性的マイノリティー(LGBT)の人権活動なども行う。発起人は、神戸を中心に長年にわたりHIV・エイズの支援に取り組んできた同会代表代行で性感染症予防啓発ボランティア「BASE KOBE」代表の繁内幸治さん。「BASE KOBE」は2001年7月に発足し、2005年に性感染症・エイズ予防啓発の各種活動で神戸市長より「市民福祉奨励賞」、2006年には兵庫県知事より「ひょうご県民ボランタリー活動賞」を受けている。

 同所を運営するのは、2014年11月に発足した「ともいきネット」。「ともいき」の活動を通じて市民福祉等の多様な市民活動を推進するネットワークで、現在は兵庫県、神戸市、県・市教育委員会、各種団体などとの連携を図り、地域のHIV・エイズ、LGBT、人権、貧困などの問題解決に向き合っている。主な業務は、「HIV・エイズ、性的マイノリティーの市民啓発活動」のほか、「人権にかかる学習会・講演会・シンポジウムの開催」「社会的マイノリティーの人権にかかる交流とネットワークづくり」「労働・人権・雇用・教育・生活に係る行政機関、経営者団体などへの政策提言」「生活困窮、住居不安定・喪失者の自立支援にかかるシェルターの提供」、その他の市民福祉などの事業。

 同所は、HIVと性の多様性についての理解と当事者支援の活動の拠点として新設。事務局機能を担うとともに、各種相談、ミーティング、勉強会、DVD上映会などを実施。32型テレビ、ノートPC2台、デスクトップPC1台、プロジェクター&10インチ大型スクリーン、各種レコーダーのほか、HIVやセクシュアリティ関連書籍も蔵書する。シェルターとしても利用できる和室スペースは、32型テレビ、デスクトップPC1台、LGBT関連書籍を配備し、ミーティングのほか、大型スクリーンを使ったDVD上映もできる。宿泊は5人まで可能。

 繁内さんは「2015年3月31日、LGBTのパートナーシップ条例が東京都渋谷区で成立し、県下でも宝塚市で同様の検討が始まる昨今、当事者の可視化の中で広がる貧困問題にも対応できる活動が始まっている。LGBTの人権について、2014年10月に神戸市立中学校校長研修、2015年5月に兵庫県立高校校長研修で講師を務め、LGBTの人権啓発にも取り組んでいる」と話す。「2015年4月からは、生活困窮者に対して各自治体で生活一時支援が始まった。ともいきネットでは、全国に先駆けてメンズシェルター事業も実施している。生活が困難になった方は、遠慮なくホームページからお知らせいただければ」とも。

 開所日は予約により随時。問い合わせはホームページのメールフォームで受け付ける。

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