神戸・三宮センター街2丁目(神戸市中央区三宮町2)中央頭上に5月15日、「私達は負けない」と書かれた大型タペストリーが掲出された。
新型コロナウイルスの影響で経済的にも苦しい日々が続く中、三宮の来街者数も激減。5月4日には緊急事態宣言の延長が発表された。
「街を訪れる皆さんも不安を抱えながら奮闘されていると思う。共感していただき、少しでも力になれば」と三宮センター街2丁目商店街振興組合が提案。商業の街から商売人のメッセージを掲げることが決定したという。
三宮センター街2丁目商店街振興組合事務局企画担当者の藤井淳史さん(「毛利マーク」社長)は「お客さまやお店のスタッフが安心して過ごせるように備蓄アルコールの配布やアーケードを開放して換気をするなど、組合で協力し合ってさまざまな対策を行っている。さらに、消毒用の次亜塩素酸水生成器を振興組合で購入。現在、設置に向けて準備を進めており、とにかくできることは全てやっていく。その上で今回の力強いメッセージを出すことになった」と明かす。
大型タペストリーのサイズは幅3.5メートル×高さ4メートル。25年前、大きな被害を受けた阪神・淡路大震災からの復興を支えた金沢生まれの洋画家・鴨居玲さんのフェニックスの絵と「後漢書・王覇伝」に由来する故事「疾風 知 勁草(疾風に勁草を知る)」をデザインした。
藤井さんは「個人的には、いささかメッセージが強すぎると感じるが、自粛ムードが覆い尽くす中、こういう街もあってもいいかなと思っている。理事長をはじめ、阪神・淡路大震災を経験し、復興してきた先輩理事の皆さんのリーダーシップを間近で感じながら、自分の店はもちろん、将来の街の運営に生かせるように、今は一所懸命活動させてもらっている」と話す。