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神戸で「横尾忠則現代美術館」開館10周年記念展「寒山拾得への道」

横尾忠則現代美術館で「Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得への道」が開催されている

横尾忠則現代美術館で「Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得への道」が開催されている

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 「Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得(かんざんじっとく)への道」が現在、横尾忠則現代美術館(神戸市灘区原田通3、TEL 078-855-5607)で行われている。

寒山拾得シリーズ

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 兵庫県西脇市出身の美術家・横尾忠則さんからの寄贈・寄託作品を保管する同館。横尾さんの作品を多くの人に鑑賞してもらおうと兵庫県立美術館王子分館(旧兵庫県立近代美術館)西館を改装して2012(平成24)年11月に開館した。これまで、所蔵するコレクションを軸に横尾作品の魅力を国内外にアピールするとともに、横尾さんに関連するさまざまな展覧会を開催してきた。

 開館10周年を記念して企画した同展では、新型コロナウイルス感染症の流行で外出や人と会うことができなかった横尾さんがアトリエにこもって制作した作品や過去の作品など約70点を紹介する。

 新作のモチーフは、奇妙な風貌と奇行で知られ、これまでも数々の文学や美術に取り上げられてきた中国・唐時代の僧・寒山と拾得の姿。横尾さんは独自の解釈で新たな寒山拾得像を生み出し、寒山が詩を書くために持つ巻物をトイレットペーパーに、捨得が掃除をするために持つほうきを電気掃除機にと現代的なアイテムに代え、明るくカラフルな作品に仕上げた。

 同館によると、近年、難聴や腱鞘(けんしょう)炎などを患っているという横尾さんは、自身の身体的な感覚の変化から、画業40年にして新たな描画スタイル「朦朧(もうろう)体」を獲得。自由にうねる線や輪郭のゆらぎ、軽やかな色使いとなって作品に現れているという。

 5月28日、6月25日には、館内のオープンスタジオで同館学芸員の小野尚子さんが展覧会の見どころを解説する「キュレーターズ・トーク」を行う。開催時間は各日14時~14時45分。定員は先着30人。参加無料。

 昨年3月、4階に新設した横尾忠則コレクションギャラリーでは、「YOKOO TADANORI COLLECTION GALLERY 2022 Part1」を同時開催する。

 小野さんは「これまでに無い横尾さんのスタイル、これまでにない寒山拾得像をご覧いただけると思う。何かと息詰まることの多い時代だが、重い空気を笑い飛ばすような、あっけらかんとした作品からぜひ元気をもらってほしい」と話す。

 開催時間は10時~18時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。観覧料は、一般=700円、大学生=550円、70歳以上=350円、高校生以下無料。7月18日まで。

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