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神戸で「源平サミット」-源氏・平氏ゆかりの2市長が対談

「神戸まちと歴史の研究会」会長の田辺眞人園田学園女子大名誉教授

「神戸まちと歴史の研究会」会長の田辺眞人園田学園女子大名誉教授

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 神戸市産業振興センター内ハーバーホール(神戸市中央区東川崎町1)で2月5日、源氏ゆかりの川西市と平家の拠点である神戸市の交流を深めるイベント「ひょうごの源平サミット」が開催された。

田辺教授、矢田市長、大塩市長によるパネルディスカッション

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 大河ドラマ「平清盛」の放送に合わせて開催された同イベント。まちと歴史の関わりを研究し、地域の発展を図るため、民間の歴史を生かしたイベントや講演会の支援・広報活動などを行う「神戸まちと歴史の研究会」が主催する。同会は、2001年に現会長である園田学園女子大学(尼崎市)の田辺眞人名誉教授をはじめとする有志により発足。田辺教授は「KOBE de 清盛2012」大輪田泊会場・歴史館の展示の監修や解説も行っている。

 当日は、800人以上の応募の中から抽選で選ばれた約350人が来場。田辺教授、矢田立郎神戸市長、大塩民生川西市長を講師に迎えたパネルディスカッションのほか、神戸市伝統芸能「兵庫木遣(やり)音頭」、川西市伝統芸能「火打雅楽」、筑前琵琶奏者・川村旭芳さんによる「祇園精舎」「敦盛」の演奏、上方講談師・旭堂南海さんによる「平清盛の夢」などが披露された。

 清和源氏の祖である源満仲が多田神社を創建したことから源氏発祥の地とされる川西市。大塩市長は、毎年4月に開催される「源氏まつり」や源頼光の家来で「坂田金時」をモデルにしたキャラクター「きんたくん」などをPR。「ゆるキャラの活用などで経済活動の活性化につなげ、源氏ゆかりのまちを知ってもらいたい」と呼び掛けた。

 矢田市長は「800年前に神戸兵庫の大輪田泊や人工島『経が島』の修築を行った清盛のDNA が受け継がれ、現在のポートアイランドや六甲アイランドといった人工島作りにつながったのでは」と話す。「どんな時代でも困難に打ち勝つ大切さを清盛から学んだ」とも。

 田辺教授は「赤穂浪士の討ち入り事件で有名な赤穂市と吉良上野介が生まれた愛知県吉良町や吉良邸があったとされる東京都墨田区。戊辰(ぼしん)戦争、会津戦争での薩摩・長州藩と会津藩など、歴史の中では敵同士ではあったが、現在は和解して交流を深めている。源氏と平氏も積極的な交流をしてほしい」と話す。「後輩であるわれわれが強い絆を築き、地域の活性・発展に役立てたい。このイベントを通じて、歴史を利用し地域のことを考えるきっかけになれば」とも。

 両市長が固い握手を交わす場面などもあり、サミットは盛況のうちに幕を閉じた。

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