■honeycombBOOKS*について

－どんな店？

2008年8月8日の8が3つで蜂蜜の日にオープン。約1000冊の古本と雑貨を扱い、展示スペースがある。古本は、絵本や料理、手芸、暮らし、エッセー、小説を扱い、買い取りも行っている。月1回程度、さまざまなイベントも開いている。

－出店の経緯は？

神戸・元町で店を開きたかった。いろいろな物件を見たが、広さや自分の思った雰囲気があったので今の場所に決めた。2005年から古本イベントを開催していたので、オープン当初はそこで知っていただいた方が来てくれ、その後口コミなどでたくさんのお客さまが来てくださった。

－どんな客が多い？

どちらかというと女性が多い。お母さんと一緒の小学生のお客さまから、年配の方の来店も多い。雑貨だけを見る方、絵本だけを見る方など、お客さまがそれぞれ自分の楽しみ方を見つけてくださっている。

■神戸・元町について

－元町はどんな場所？

元町はとても雰囲気のある街。他店の方とのつながりもありいい街だと思う。大学時代に買い物をしに来ていて、そのころからすてきな店が多く、憧れの街だった。

－神戸の客の特性は？

地元の方がフラッと遊びに来てくださることが多い。地元の方も本当に元町が好きなのだなと感じる瞬間。旅行など観光でお越しになる方も増えている。

■古書業界の今

－業界の現状は？

東京だと月1回程度古本市が開かれるなど、いろいろな取り組みをしている店や団体が多く、古本業界が活性化してきているのではと感じる。関西でも古本が好きな人が参加し、一般の方も購入できるイベントが開かれている。当店も先日、姫路で開催されたイベントに参加したばかり。

－古書店を始めようと思ったきっかけは？

本がとても好きだから。小さいころから雑貨屋さんになりたかったが、2005年くらいからは「雑貨＋個性的な何か」を扱う店という風に考えるようになった。雑貨だけじゃなく、両方楽しめる店ができたらいいなと思って始めた。

－なぜ古本だったのか？

新書よりも古本に可能性を感じたのがきっかけ。「古本だったらできるかも」と思い、そこからイベントにも参加するようになった。絶版になっている古いものでもいいものがあるし、いい出会いがある。現在発行されている本は安く手に入るので、単純にお得感もある。皆さまにもお気に入りの一冊を見つけてほしい。

■作品展示や読み聞かせイベント

－最近の活動について

店内では、出張カフェや作家さんの作品展示を行い、読み聞かせイベントなども開いている。古本市に参加することもあり、10月にはガケ書房（京都市左京区）で開催される「絵本だけの古本市」（6日～21日）に参加する。10月28日には「みなとのもり公園（神戸震災復興記念公園）」（神戸市中央区小野浜町）で行われるワークショップイベント「ピクニックピクニック2012」にも参加する。

－そうした活動をすることになったのはなぜ？

作家さんのすてきな作品や思いを広いスペースで楽しんでほしかったから。そのつながりで店も知ってもらえたらうれしい。一度開催していただいたらすごく楽しかったので、それからずっと続いている。

－印象深い活動は？

それぞれの思い出があるが、似顔絵のイベントやライブも開催した。1人で店をやっているとなかなか変わる機会がないが、作家さんが展示してくれることで店内も全然違う雰囲気になるのが楽しい。

■今後について

－目標は？

これからもっと中身を充実させて本の量ももっと増やしたい。少しずつでも変化のある店にできたら。できるだけ外のイベントにも積極的に参加していきたい。店内での展示も続けていきたい。

－今後挑戦してみたいことは？

まだ当店を知らない方もいると思うので、すてきな活動をしている作家さんがいることや、古本の楽しさを伝えていきたい。店によって同じ本も違う見方があると思うので、ぜひ足を運んでほしい。

■インタビューを終えて

元町商店街4丁目から少し北側の雑居ビル2階、店へ入るドアを開けると佐伯さんの笑顔ときれいに並べられた古本や雑貨が迎えてくれる。「ハニカム＝蜂の巣。蜂の巣みたいに甘いものがいっぱい詰まった店にしたい」（佐伯さん）と名付けられた同店は、来店客の「この店へ来たら好きなものに出合える」という気持ちを満たし続けているようだ。

展示スペースを使う作家が変わる度、作品に合わせて店内のテーブルや商品を移動させているという佐伯さん。新しい雑貨の取り扱いが始まるとブログに紹介。常連客は常にブログやツイッターなどをチェックしており、人気のある作家の作品だと入荷後3日と待たずに売り切れてしまうこともあるという。

古書店を経営しながら作品展示やイベント、古本市などにも出店し精力的に活動する佐伯さん。8月で4周年を迎えた同店。今後のさらなる活躍に期待したい。

honeycombBOOKS* -ハニカムブックス-