元町映画館で初の舞台あいさつ-川口監督「人の気持ちで撮れた映画」

舞台あいさつをする川口浩史監督

舞台あいさつをする川口浩史監督

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 元町商店街4丁目のミニシアター「元町映画館」(神戸市中央区元町通4、TEL 078-366-2636)で9月4日、同館初めての舞台あいさつが行われた。

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 上映作品は芥川龍之介の名作「トロッコ」。監督は川口浩史さん、主演は尾野真千子さんが務める。台湾を舞台に、家族を亡くした悲しみからそれぞれが前へ一歩踏み出していく様子や、雄大な自然に包まれて描かれる家族のきずなを描いた作品。上映30分前には約半数の席が埋まり、上映時間には定員を超え、急きょいすを追加した。

 舞台あいさつで、川口監督は「芥川龍之介さんの作品の舞台は伊豆。伊豆をイメージできる場所を探して回ったが、線路の近くを車が走っていたりガードレールがあったりといい場所がなかったところ、知り合いから台湾にあるという情報を聞き見に行った。現地では現地の方に『トロッコの線路は昔日本人が作ったものだと知っているか?』と日本語で話しかけられ、短編の映画を作ろうと思っていたが、日本と台湾の歴史も描いた長編にすることを決めた」と明かした。

 会場から「台湾と日本の子どもの違い」を問われた川口監督は「日本の子どもたちはある程度言うことも聞いてくれたが、台湾の子どもたちは人の話を全く聞かない野生児(笑)。エキストラの方たちは撮影現場から半径50メートル位の範囲に住む人たち。現地の方の表情にも目を向けてほしい」と答えた。

 最後に川口監督は「元町に映画館ができたことに感動している。『トロッコ』は、最初は自分1人の気持ちだったが、だんだん賛同してくれる方が増えていき人の気持ちで撮れた映画になった。だから人の気持ちで作り上げられた元町映画館に協力したかった。上映できてうれしい」と締めくくり、会場からは大きな拍手が送られた。

 8月21日にオープンした縦2メートル、横4メートルのスクリーンを備える同館。劇場には、66席の客席と車いす用のスペース1カ所を用意。商店街の雰囲気とは異なり、落ち着いた空間が広がる。上映作品にもよるが、1日4~5回上映する。

 料金は、一般=1,700円、シニア、学生=1,000円、神戸映画サークル会員=1,200円、毎週火曜日は女性=1,000円、毎月1日は1,000円に。上映作品の詳細や上映時間は同館ホームページで確認できる。「トロッコ」は9月24日まで上映予定。10月23日~11月5日には、川口監督の作品「チョルラの詩」の公開を予定する。

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