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被災地で犠牲者2万人分の花火を-スコップ団関西、神戸で呼び掛け

「スコップ団」団長の平了さんと関西メンバーの島根輝美さん(Soul☆Mate)

「スコップ団」団長の平了さんと関西メンバーの島根輝美さん(Soul☆Mate)

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 神戸ハーバーランドのレストラン「NINO QUINCAMPOIX(ニノカンカンポア)」(神戸市中央区東川崎町1、TEL 078-361-3188)で1月29日、「スコップ団関西」主催のイベント「天国にぶっ放せ! Gospel Night」が開催される。

家屋から運び出したものを仕分けする「スコップ団」のメンバー

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 宮城県・山元町を中心に東日本大震災で津波の被害に遭った家のがれき運び・泥かき・洗浄を行っている民間支援団体「スコップ団」。「自分たちはボランティアじゃない。友達の家を片付けに行くことをボランティアって言うか?」をポリシーに掲げ、毎週土曜・日曜の朝9時から自発的に集まり支援活動を行っている。

 団長を務めるのは仙台市の自宅で広告代理業を営む平了(たいらりょう)さん。震災で親しい友人などを失った平さんは震災直後から被災地に入り活動を開始。自身のブログで活動内容を発信し全国に呼び掛け、現在では仙台市を中心に東京・九州・関西などから平さんの活動に共感した人たちが団員として集まり参加。ツイッターを通じて活動を知ったコピーライターの糸井重里さんも参加し協力する。

 そうした中、平さんは震災が起こる1日前に夫とささいなけんかをしてしまったという初老の女性に出会う。津波で夫を亡くしたその女性は「今まで主人とはけんかなんてしたことなかった。もし運命で彼が死んでしまうことが避けられないにしても、『愛していた』と伝えられなかったことをとても後悔している」と話したという。それを聞いた平さんは「明日震災が来るとは想像もしていなかった3月10日」に死者・行方不明者約2万人の数の花火を供養として打ち上げ、伝えられなかった思いを天国に届ける企画「天国にぶっ放せ!」の実施を決めた。現在、花火2万発分として3,000万円を目標に全国で募金活動を行っている。

 今回神戸で開催される同イベントは、「スコップ団関西」メンバーの島根輝美さん(Soul☆Mate)が中心となって花火支援として行うもの。「被災地へゴスペルのエール」をテーマにゴスペルグループ「Spiritual Voices」と「Soul☆Mate」がライブを披露。会場では、宮城県沿岸部での同団体の支援活動をプロジェクターによる映像のほか、写真、ポスター、リーフレットで紹介し被災地の今を伝える。同イベントの収益金は全て同団体の活動に寄付する。

 島根さんは「東日本大震災について月日とともにメディアで伝えられる内容が限られ、被災地の現状が伝えられなくなってきている。残された人の思いを天国に近い高い場所に打ち上げられる花火によって伝えるという活動の意味を知っていただき、遠く離れた関西からも大きな支援を届けたい」と熱く語る。

 開催時間は18時30分~21時。料金は3,000円(ビュッフェ形式の料理とワンドリンク込み)。定員80人。

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