神戸ポートアイランドの「神戸どうぶつ王国」（神戸市中央区港島南町7、TEL 078-302-8899）で10月11日から、関西初の展示となる「ハシビロコウ」が公開される。

体長130センチ、体重5.1キロの雌「カシシ」

　鳥類最大級のクチバシを持つハシビロコウは国際自然保護連合（IUCN）がレッドリスト絶滅危惧種II類に認定している鳥。同施設では専用の屋外展示スペースを設けるため、一部の施設を改修し、新たに「BIG-BILL LAGOON（ビッグビルラグーン）」をオープンする。

　展示施設には、アフリカの湿地帯をイメージし中央に約250平方メートルの湿原沼、岩と草木の茂みを再現。全体面積約500平方メートルの中、中央のブリッジからハシビロコウの生態を観察できるように工夫した。天井はバードネットで覆い、寒冷時期に備えて室内の展示場も完備しているという。

　新たに搬入するハシビロコウは年齢不明で体長135センチ、体重6.1キロの雄「アサラト」と、年齢不明で体長130センチ、体重5.1キロの雌「カシシ」の2羽。2羽は公開に先立ち行われた内覧会では、水辺でリラックスした様子を見せていた。

　同施設を運営するどうぶつ王国（同）の佐藤哲也社長は「ハシビロコウは繁殖が難しく、これまで成功したのは世界でも2例。アジアでは成功例がないので期待している。展示施設には魚を泳がせているので、2羽が施設に慣れたら捕食の様子もお見せできるのでは」と話す。

　ハシビロコウは「動かない鳥」として知られ、アフリカ東部から中央部の湿地や草原地帯に生息。動かずに魚を待ち伏せし、水面に上がってきた魚を倒れこむようにして捕食する。身長は約1.2メートル、翼長は約2.5メートル、体重は約5～6キロ。

　開園時間は10時～17時（土曜･日曜･祝日＝17時30分）。木曜定休。